マルコの言動に見えた、レッドブル離脱の予兆。気になる着席位置と握手の相手/F1 Topic
オラクル・レッドブル・レーシングは、12月9日、同チームでモータースポーツコンサルタントを務めてきたヘルムート・マルコのチーム離脱を発表した。
異変を感じたのは、第24戦アブダビGPの日曜日の昼に行われたチーム・フォトだった。当初、前列中央に座っていたのは、ローラン・メキース代表とマルコだった。ところが、しばらくして経営陣3人が入り、レッドブル共同オーナーのマーク・マテシッツが中央に座り、レッドブル上層部のオリバー・ミンツラフはメキースをはさんでマルコとは反対側へ座った。

スタート前のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のグリッド上でも異変があった。ポールポジションからスタートするフェルスタッペンを、ミンツラフとタイ人でレッドブル創業者チャリアオ・ユーウィッタヤーの息子のチャルーム・ユーウィッタヤーが訪れていた。

国歌斉唱のセレモニーに備えて、いつものようにレッドブルのメンバーがマシン後方に整列。マシンの前にメキースが立ち、マシン脇にマルコが陣取る光景もいつも通りだった。
セレモニーがスタートする直前、ユーウィッタヤーがマルコに近づき、マルコの肩を叩く。マルコが驚いて振り返る。肩を叩いた相手がユーウィッタヤーだとわかるとマルコは笑って右手を差し出して握手を求めた。



同じ組織に属する者同士がスタート前に握手する光景はあまり見たことがない。
すでにこのとき、ユーウィッタヤーはマルコが離脱する道を選ぶことを察知し、マルコも自分の意思を固めていた可能性が高い。いま思えば、アブダビGPの週末のマルコはいつもと様子が異なり、穏やかだった。もしかすると、アブダビGP入りする前に、レッドブルの経営陣から厳しい評価を告げられていた可能性は十分考えられる。
そして、最後の集合写真となったレース後の優勝を祝った撮影会では、角田裕毅としばらくの間、笑顔で会話していた。
まさかこれが最後の勇姿となるとは、このときは想像もしていなかった。
