勝者フェルスタッペン、2点差で王座に届かず「辛くはない。ここまで挽回したことを誇りに思う」袂を分かつホンダには感謝
2025年F1アブダビGP決勝で、レッドブルのマックス・フェルスタッペンはポール・トゥ・ウインを達成した。ドライバーズタイトル争いでは、ランド・ノリス(マクラーレン)が3位を獲得したことで、フェルスタッペンは2点およばず、ランキング2位が確定した。

ミディアムタイヤのフェルスタッペンは、スタートを決めて首位をキープ、同じくミディアムのノリスは2番グリッドから3番手に落ち、ハードタイヤを選択したオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が2番手に上がった。
ノリスはトップ3では最初の16周目にピットインし、ハードタイヤに交換。セカンドスティントを9番手から開始し、素早くポジションを上げ、20周目には角田裕毅(レッドブル)の後ろに。角田はフェルスタッペンのために少しでもノリスを抑えようとしたが、ノリスは23周目に角田をかわして3番手に戻った。その周にフェルスタッペンは23周目に同様にハードを装着し、2番手でコースに復帰した。
首位を走行していたピアストリが41周目にタイヤ交換に入ると、フェルスタッペンが再びリーダーとなった。ピアストリは、比較的フレッシュなミディアムタイヤでフェルスタッペンとのギャップを急激に縮めていったが、追いつくことはなく、フェルスタッペンは12.594秒差で優勝を飾った。ノリスは3位を獲得、フェルスタッペンは5回目のタイトル獲得とはならなかった。
2025年シーズンは、レッドブルとホンダの契約最後の年。レッドブル・レーシングは2019年からホンダのパワーユニット(PU)を搭載、2021年でその契約は区切りを迎えたが、2022年から2025年も、レッドブル・パワートレインズをホンダが技術支援してきた。
フェルスタッペンは、チェッカーフラッグを受けた後のチームへの無線で、ホンダへの感謝も示している。

■マックス・フェルスタッペン(オラクル・レッドブル・レーシング)
決勝=1位(58周/58周)
1番グリッド/タイヤ:ミディアム→ハード
2025年ドライバーズランキング=2位(421ポイント)
2025年コンストラクターズランキング(レッドブル)=3位(451ポイント)
「チーム全員がとても誇らしい。信じられないような巻き返しを成し遂げたことを心から誇りに思う。僕たちは決して諦めず、状況をひっくり返せると常に信じ、挑戦をやめなかった。簡単に諦めてしまうこともできたはずだが、僕たちはプッシュし続け、改善点を探し続け、そして常に信じ続けてきた」
「今シーズンはジェットコースターのような激動の一年で、厳しい瞬間や複雑な感情が数多くあった。それでも僕たちはチームとして本当に強く結束できたから、皆のことをとても誇りに思っている」
「シーズン後半の巻き返しは本当に信じられないようなものだった。それはクレイジーといえるほどの状況で、チームとして多くの困難を乗り越えてきた」
「今日はとても楽しかった。特に、これほど圧倒的な形でレースに勝てたことは格別だ。素晴らしい週末を過ごし、できる限りのことをすべてやり切った。だから、最終的に今日はとても良い気分でいられる」
「2ポイント差でチャンピオンを逃したという結果だけを見ると辛い状況に映るかもしれないが、ザントフォールトの時点では、100ポイント以上も遅れていた。そう考えれば、僕たちが成し遂げたことは本当に誇るべき成果だ」
「そしてもちろん、ランドにとって(初めてF1チャンピオンになったというのは)本当に特別なことだ。心から楽しんでほしいと思う。初めてのタイトル獲得の時には、一番感情的になる。子どもの頃からずっと夢に見てきた瞬間だからね。今日は彼の家族も来ているし、チームと一緒にこの夜を存分に楽しんでほしい」
「最後に、ファクトリーとサーキットのすべてのチームメンバーたちに感謝したい。僕たちは決して諦めず、常に信じ続けてきた。一緒に働いている仲間たちを心から誇りに思う。彼らは僕にとって第二の家族だ」
(フィニッシュ直後の無線で語り)「シーズン後半戦を心から誇りに思う。だからあまり落ち込む必要はない。僕は全然がっかりしてないよ」
「そして、長年にわたって共に戦い、素晴らしい成功を成し遂げてきたことについて、ホンダにも感謝したい。この関係を、間違いなく最高の形で締めくくることができた。本当にありがとう」
