【決勝日コメント】
誤った戦略で勝利を失ったピアストリ、レース直後には絶句「胸がえぐられる思い。キャリア最高の週末に結果をつかめず」
2025年F1カタールGP決勝で、マクラーレンのオスカー・ピアストリはポールポジションからレースをリードしていたが、セーフティカー出動時にステイアウトするというチームの判断により勝利を逃し、2位でフィニッシュした。
ピアストリはスタートで首位を守った後、徐々にリードを拡大し、6周目には2番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に約2.5秒の差をつけ、順調にレースを進めていた。しかし、クラッシュが発生し、セーフティカーが出動したことで、状況が一変した。
7周目、セーフティカー下で大多数のマシンがタイヤ交換を行ったが、マクラーレンは首位を走行中のピアストリと3番手のランド・ノリスをステイアウトさせた。その結果、フェルスタッペンら後方のドライバーたちはピットストップ1回分を時間をロスすることなく行えたのに対し、マクラーレンふたりは通常の形でピットストップを2回行わなければならなくなった。
今回、タイヤ1セットあたりの周回数制限(25周)が設けられていたため、全員がタイヤ交換を最低2回行うことが義務付けられていた。

ピアストリは24周目に1回目のピットストップを行い、4番手に後退。これでフェルスタッペンがトップに立った。フェルスタッペンが32周目に2回目のタイヤ交換を行ったことで、ピアストリは一時的に首位に復帰したが、42周目に再びピットに入り、フェルスタッペンの17秒後方の2番手に後退。ピアストリはフェルスタッペンより大幅に速いペースで走り、ギャップを縮めていったものの、最終的に届かず、7.995秒差の2位という結果に終わった。
レース結果がフェルスタッペン優勝、ピアストリ2位、ノリス4位となったことで、ドライバーズランキングでは、1位ノリス408点、2位フェルスタッペン396点、3位ピアストリ392点と、ピアストリは3位に落ちる結果になった。一方で、ポイントリーダーのノリスとの差は、16点に縮まった。
チェッカーフラッグを受けた直後にピアストリは無線で「言葉が出ない」「何も言えない」と述べ、大きなショックを受けている様子だった。

■オスカー・ピアストリ(マクラーレン・フォーミュラ1チーム)
決勝=2位(57周/57周)
1番グリッド/タイヤ:ミディアム→ミディアム→ハード
「僕たちは今日、勝てるペースがあったが、正しい判断を行えなかった。マックスをとらえるために力を尽くし、すべてを出し切ったにもかかわらず、勝てなかったことがつらい」
「来週(のアブダビ)が最後の勝負なので、今週末のような走りをしてどういう結果が出るかを見る」
(レース直後のインタビューで語り)「正直、本当に胸がえぐられるような思いだ。今年、もしくはF1で過ごした中でも最高の週末を送っていると感じていたのに、結果に結び付かなかったのはつらい」
「明らかに、僕たちは今夜、正しい判断を下せなかった。僕としては、できる限り速く走り、全力のレースをした。これ以上やれることはなかった。最善を尽くしたが、残念ながら今夜は、結果につながらなかった」
「後から考えれば、何をすべきだったかはかなり明白だと思う。チームで話し合うことになるだろう」
「もちろん、悪いことばかりではなかった。ここまでは本当に良い週末だったし、ペースも強力だった。ただ今はこの状況を受け入れるのが少し難しい」
「次も今回の週末のように走ることを目指す。それが僕にできるすべてだ。多くのことが僕にとって有利に働く必要がある。とにかくできる限り速く走り、自分を可能な限り良い位置に置いて、どうなるかを見るしかない」
