2025.11.06

【F速プレミアム】
王者フェルスタッペンの戦い:マクラーレンと違い、マックスひとりに集中できるのは大きなアドバンテージ


(c)XPB Images
 直近の6レースで上位の成績を上げているマックス・フェルスタッペン。アメリカGPでは完璧な週末となり続くメキシコシティGPでは2位表彰台を獲得した。F1スイス在住のF1ジャーナリスト、マチアス・ブルナーが2連戦の週末を語る。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 オランダGPからサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開かれたアメリカGPまでの6回のレース(グランプリ5戦とスプリント1戦)で、マックス・フェルスタッペンは見事な成績を残した。そのすべてを優勝か2位で終えたのだ。彼はオースティンでこう語っている。「タイトル防衛の望みをつなぐには、完璧な週末を続けていく必要がある」

 マックスはアメリカGPのスプリントでポールから優勝、グランプリでもポールからスタートして優勝し、その言葉のとおりにパーフェクトな週末を過ごした。一方、マクラーレンがスプリントで演じたのは、考えられる限り最悪のシナリオだった。スタート直後にオスカー・ピアストリとランド・ノリスの間で接触があり、2台ともリタイアを喫したのである。■regist■

 しかし、翌週のメキシコシティでは、フェルスタッペンのマシンは完璧にはほど遠かった。セットアップに大きな問題があり、予選も5番手にとどまったのだ。それでも、日曜のレースではいかにも彼らしい力強いドライブを披露し、ノリスとシャルル・ルクレールに次いで3位に入ってみせた。実際には2位フィニッシュの可能性も十分にあったが、レース終了間際にバーチャルセーフティーカー(VSC)が発動され、前を行くフェラーリへの追撃は水を差されてしまった。

 メキシコでの戦いを振り返って、フェルスタッペンは言う。「プラクティスと予選で重大な問題を抱えていた。そこから挽回できたという意味で、レースの結果には満足しているよ。VSCのタイミングが悪かったことについては、文句は言えない。過去に同じような状況で運に恵まれたことが何度もあるし、今回はそうならなかったというだけで、それもレースの一部だ」

「かなりドタバタしたレースだった。いいスタートを決めて、ハミルトン、ルクレール、ノリスと並んで最初のコーナーにアプローチした。ところが、そこで左側へ押し出されて縁石に乗り、草地に飛び出したんだ。その後はルイスと激しい争いになり、またコースオフしてしまった」

「レースの前半はミディアムタイヤで苦戦した。あの時点では、最後にはポディウムに上がれるなんて思っていなかった」

 選手権争いについて、マックスはどう考えているのだろうか。「状況は変わっていない。タイトル防衛を果たすためには、すべてのレースで勝てる位置につけるしかない」

 レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは語っている。「残りはグランプリ4戦とスプリントが2回で、獲得できるポイントは最大116点だ。マックスはノリスに対して36点差、ピアストリに対して35点差に迫っている。ここ数戦の様子を見る限り、どのサーキットへ行っても、特定のチームが明らかな優位に立つことはなさそうだ」

「テキサスではマックスが模範的なレースをした。文句のつけようがなかったね。メキシコのプラクティスではかなり苦戦したが、グランプリではもっと競争力を発揮できると考えていた。実際、私はマックスがルクレールをとらえて、2位に入ると確信していたんだ。しかし、VSCのタイミングが私たちにとっては不運だった」

 マルコは微笑みながら、こう付け加えた。「マックスはまるで猟犬のようだ。チャンスを嗅ぎつけると、それまでのトラブルはすっかり忘れてアタックを始める」

「まだ勝負はついていない。マクラーレンのドライバーたちが、互いにポイントを奪い合ってくれることに期待をかけている。彼らとしては、ノリスとピアストリを平等に扱わねばならない。しかし、こちらにはマックスひとりに集中できるというアドバンテージがある」

(c)XPB Images

(Mathias Brunner/Translation:Kenji Mizugaki)

最新ニュース一覧

2025-11-06更新
2025-11-05更新
2025-10-28更新

最新PHOTO一覧






|TOP|NEWS|