2025.11.05

F1の全10チームが財務規則の遵守証明を受け取る。現在は“違反内容を特定する方法がない”ことが問題に


2025年F1第20戦メキシコシティGP フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
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 FIAは、すべてのF1チームとパワーユニット(PU)マニュファクチャラーが、2024年の財務レギュレーションの遵守証明を受け取ったと発表した。

 F1チームの大半がメキシコを出発し、ヨーロッパに向かう途中で発表された声明のなかで、FIAは「すべてのF1チームとすべてのPUマニュファクチャラーが、必要な情報の提供に全面的に協力した。CCA(コスト上限管理部門)は、すべてのF1チームとすべてのPUマニュファクチャラーが、プロセス全体を通じて常に誠意と協力の精神を持って行動していたと指摘している」と述べた。連盟が唯一留意したのは、アストンマーティンが手続き上の違反を犯したということだ。これはチームがメキシコで公に認めたとおりであり、その違反は「F1チームの制御外の予測不可能な状況によって生じた、非常に軽微な性質のもの」であったため、この件では罰金やペナルティは適用されなかった。

ランス・ストロール(アストンマーティン)
2025年F1第20戦メキシコシティGP ランス・ストロール(アストンマーティン)

 広く知られているように、メキシコではF1に参戦する10チームのうち、9チームが自分たちのチームに関するFIAの報告にかなり満足していた。 しかしFIAは10チームの検査がすべて完了すると同時にコンプライアンス証明書を発行するため、この時点ではどのチームもまだコンプライアンス証明書を受け取っていなかった。そんななかアストンマーティンは、提出時に外部エディターの健康問題による軽微な違反があったことを認めており、CCAからそのプロセスがFIAによって承認されたという口頭または書面による確認をまだ受けていない唯一のチームだった。

 全員の指は同じ方向を向いていたが、法的問題を避けるため、チーム代表も広報担当者もこの件について発言を引用することを望まなかった。認証が1カ月以上先になると予想されていたことを考えると、問題のチームとFIAがそのプロセスを細部にわたって検討していたことは明らかだ。問題のチームがFIAに対してどのような影響力を持つのか疑問視する向きもあったが、声明により、そうした憶測に終止符が打たれた。

 提出物に懸念のなかったチームにとって、現在の問題は、1カ月以上の修正を要した提出物の問題点が何であったのかを突き止める方法がないことだ。これは一部のチーム代表が不満を抱いていることで、この種の情報開示は、公開されれば誰もが恩恵を受けるため、今後もチームが互いのプロセスについてより透明性を持てるようにするための動きがすでに始まっている。結局のところ、少なくとも最初のチェックで9チームが正しい計算を行い、1チームがそうできなかった場合、どこに問題があるのか全員が理解できればスポーツにとって有益となるだろう。このことは、F1コミッションの次回の会議で議論される予定だ。一部のチームはこの問題の真相究明に非常に熱心であり、簡単に諦めることはないだろう。

アンディ・コーウェル&マイク・クラック(アストンマーティン)
2025年F1第19戦アメリカGP アンディ・コーウェル(アストンマーティン グループCEO兼チーム代表)&マイク・クラック(アストンマーティン チーフトラックサイドオフィサー)


(Text : GrandPrix.com / Translation:AKARAG)

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