2025.11.02

【F速プレミアム】
グランプリのうわさ話:フラストレーションが溜まったときのアロンソの行動


2025年F1第20戦メキシコGP フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
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 事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
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 アストンマーティンは、フェルナンド・アロンソがメキシコGPでリタイアした原因は、ブレーキの問題だと主張した。しかしこのベテランドライバーは34周目が始まった時に、チームメイトのランス・ストロールを先に行かせるよう指示された後、単にマシンを止めただけだと確信している人々がメキシコGPのパドックには多かった。

 アロンソは第1コーナーでの小競り合いに巻き込まれ、AMR25のフロントウイングのエンドプレートのひとつに軽微な損傷を受けたが、サインツとローソンが衝突してピットインした後も14番手に留まった。しかしマシンバランスが崩れたため、アロンソのペースが予想よりも悪かっただけでなく、タイヤの劣化も酷かったので、そのことが20周目の始めにストロールが強力な動きでアロンソの前に出る助けになった。

 ベテランドライバーはすぐにピットインして新しいタイヤに交換し、チームメイトをアンダーカットしたが、ペースはまだ遅かった。そのため、ストロールが後ろに近づいたときにポジションを入れ替えるように言われたアロンソは、ターン4に向かう途中でその指示に従った。

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『F1 TV』のオンボード映像にはその後起きたことが映っているが、重要なのは、彼とチームとの無線通信がミュートされていることだ。ストロールを先に行かせるために減速したアロンソは、ターン5と7の出口で猛烈に加速したことで、リヤホイールのスピンを誘発して横向きになり、S字の終わりまでやや不安定なドライビングを続け、その後大幅に減速してピットに向かった。アストンマーティンのクルーは、彼のマシンをガレージに移動させるために待機していた。

 放送から無線通信が除かれたこと、追い抜かれた後のアロンソの奇妙なドライビング、そしてレースの終わりに最初のコーナーでの出来事を指摘して彼がフラストレーションを示したことから、多くの人たちは、アロンソがレース展開に満足せず、単にマシンを止めることに決めただけだと考えるに至った。

■先を見据えたメキシコGPの契約交渉

2025年F1第20戦メキシコGP
2025年F1第20戦メキシコGP

 メキシコGPのプロモーターは、現在の契約終了まであとレースが3年続くにもかかわらず、すでにステファノ・ドメニカリと現在の契約延長のための交渉を開始する予定であることを明らかにした。しかし、アメリカのいくつかの都市がF1に提案を行う計画を立てているほか、近隣の都市グアダラハラも独自の計画を検討していることから、メキシコGPを運営するアレハンドロ・ソベロンは、彼のイベントを守るためにできるだけ早く行動することを決めた。

 ソベロンは、メキシコの『ESPN』スポーツチャンネルに話すなかで、「2028年まで契約が残っていることをとてもうれしく思っている」と説明し、「全員が、来年初めに長期契約を論理的にどう結ぶか話し合うことを約束した」とつけ加えた。さらにソベロンは、「我々がやろうとしていることは常に3年から5年先を見据えることだ」と明かした。

 メキシコ人実業家のソベロンは、「レースと新しいサーキットなどとの間には常に力学がある」と認めたが、「メキシコシティはF1にとって非常に素晴らしい開催地だ。これは成功だ。経済的成功だ」と主張し、近いうちに契約を延長できる可能性に自信があることを示した。結局のところ、先週末のイベントには40万人を超える人々が参加しているため、メキシコGPの人気、地域への経済的影響、財政面での実現可能性について疑問の余地はないだろう。

■F1の株で大きな利益

2025年F1第20戦メキシコGP ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
2025年F1第20戦メキシコGP ピエール・ガスリー(アルピーヌ)

 アルピーヌF1チームの24%を所有する民間投資会社のオトロ・キャピタルが、エンストンを拠点とするチームの株式売却の可能性について予備的な協議を行ったと報じられている。『Sports Business Journal』によれば、予備的な交渉はすでに数週間前に始まっているが、潜在的な買い手が誰なのかは明らかにされていない。

 オトロ・キャピタルは2023年6月に、アルピーヌの株式の24%を2億ドル(約304億6100万円)で購入したと発表した。F1チームの価値はこの2年間で急上昇しており、提案された売却が実行されれば、100%を超える利益を容易に上げることができる可能性がある。

 ほんの数カ月前には、アストンマーティンで新たな株式の変更があった。チームの価値は33億ドル(約5024億1700万円)と評価されたが、アルピーヌの施設がローレンス・ストロールのチームほど近代的ではないために価値がそこまで高くないとしても、オトロ・キャピタルがアルピーヌに対する持ち分として5億ドル(約761億2300万円)手に入れるのは容易ではないだろう。

 また、アルピーヌ株の買い取り希望者は現時点では不明だが、オトロが売却を選択した場合、ルノー・グループが最初に買収提案を行う権利を有していることも注目に値する。



(Translation: AKARAG)

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