FIA、2024年F1コストキャップ審査の結果を発表。支出超過のチームはなし、アストンマーティンが軽微な手続き上の違反
FIAが、2024年のコストキャップ規則に関するチームおよびパワーユニットマニュファクチャラーからの提出書類の審査結果を公表した。発表が例年より大幅に遅れたことから、重大な違反を犯したチームがあるとの見方が関係者内で広まっていたものの、アストンマーティンが軽微な手続き上の違反を犯したこと以外は問題がないことが確認された。
前年に各チームが財務規則を順守したかどうかの発表は、過去2年は9月に行われ、2022年、レッドブルが2021年に支出超過の違反を犯したとの発表が行われたのは10月上旬だった。今年はFIAの公式発表がそれより大幅に遅れていた。
先週の時点でアストンマーティンは、3月31日の期限前にFIAに提出された完全監査済み書類に署名が欠けていたことが、手続き上の違反とみなされ、『違反容認合意(Accepted Breach Agreement)/ABA』に署名したことを明かしていた。FIAの発表の遅れから、それ以外に大きな違反を犯したチームがあるという見方がパドック内で広まっていたが、今回のFIAの発表で、その推測が打ち消された。
FIAは、7カ月にわたる調査期間中、全チームが誠実に帳簿を開示したとして称賛した。アストンマーティンの手続き上の違反については、チームが事前に説明していたとおりで、必要書類提出期限の3月31日までに用意していた書類に、重要な署名が欠けており、署名入りの書類は遅れて提出された。その理由は、チームの制御がおよばない、例外的かつ予測不可能な状況であったと認められた。
そのため、アストンマーティンには、金銭的ペナルティは科されなかった。

FIAは次のように説明している。
「例外的かつ予測不可能な状況であったことにより、AMR(アストンマーティン・レーシング)に対して金銭的制裁は科されなかった。コストキャップ管理局は、AMRがこの違反の結果として不当な優位性を求めた、あるいは得たという告発や証拠がないことを確認する。AMRとFIAは、この問題を解決するため、2025年9月29日にABAを締結した」