岩佐歩夢、“若干ピーキー”なローソン車でメキシコ初走行「実際に走ると難しい」癖のあるバンプが難所/F1インタビュー
ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チームのリザーブドライバーを務める岩佐歩夢が、第20戦メキシコシティGPのフリー走行1回目に参加した。岩佐は第4戦バーレーンGPのFP1でオラクル・レッドブル・レーシングのマシンを走らせたが、レーシングブルズのマシンをドライブするのは今回が初めてだった。走行を終えた岩佐は、ローソンのマシンの特徴や、初めて走行したアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスの感想を語った。
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──今年の第4戦バーレーンGPのフリー走行1回目にレッドブルのマシンを走らせましたが、レーシングブルズのマシンをフリー走行で走らせるのは今シーズン初めてですね。乗ってみた感想はいかがでしたか?
岩佐歩夢(以下、岩佐):「昨年から何かが大きく変わったという感じはなくて、グリップ力が高くなって、さらに乗りやすくなって、すべてがよくなっているという印象でした」
──チームメイトと異なるフロントウイングを装着して走り始めましたね。
岩佐:「僕の方が若干旧型になるんですけど、チームがそれを敢えてトライしたいということで、旧型をつけました。2台で分けて、どちらかいいほうを使うという意味ではなくて、今後に向けた基本的なデータ取りが目的です」

──セットアップはどのようなものでしたか?
岩佐:「このチームはイニシャルセットアップが2台で違います。6号車(アイザック・ハジャーのマシン)は6号車のセットアップがあり、僕は今回リアム(・ローソン)のマシンに乗るので、リアムのレースエンジニアがいいと思っているイニシャルセットアップで走り始めました」
──ローソン選手のイニシャルセットアップの特徴は?
岩佐:「どちらも速さを求めているのですが、リアムのほうがより速さを求めている分、若干ピーキーなところがあります。たとえば、ステアリングレシオが2台で違っていて、リアムのほうが少し切っただけで、曲がるようになっているんです。シミュレーターではいつも6号車のステアリングレシオを使っていたのですが、FP1とFP2の間にステアリングレシオを変えるのは難しいということで、今回はリアムのレシオで走りました。またセットアップ自体もピーキーな分、少し外すと乗りにくくなりやすいので、悪い方向へ行かないようにするために何をすればいいかというプログラムを立てて、確認作業をして走っていました。だから、途中でメカニカルなセットアップを敢えて大きく変更して、どっちの方向性がいいかを試していました。結果的にあまりよくない方向のセットアップへ変更したんですが、それがこのセッションの目的だったので、いいフィードバックができたと思います」

──メキシコを走るのは初めてですか?
岩佐:「はい、初めてです。シミュレーターでは低速コーナーが多くて、僕好みだと思っていたのですが、実際に走らせると結構難しかったです。もちろん、ダウンフォースが少ないからなのですが、そのうえブレーキングポイントにバンプがあるのがクセものでした。しかも、そのバンプが1コーナー、4コーナー、12コーナーとビッグブレーキングポイントのところにあってロックしやすんです。ブレーキもオーバーヒートしやすいというのも、ブレーキングがいつもとは違って難しい要素だったと思います」
──今後チームに帯同する予定は?
岩佐:「第22戦ラスベガスGPは全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)の最終戦なので、F1には帯同しません。それ以外の第21戦サンパウロGP、第23戦カタールGP、第24戦アブダビGPは帯同します。ヨーロッパでのグランプリではファクトリーで金曜日の夜にシミュレーターに乗るフライデーサポートをしていて、フライアウェイではチームに帯同するので僕はそれをしませんが、チームにはeスポーツのドライバーなどシミュレーター用のドライバーがほかにもいるので、彼らがサポートします」
──SFの最終戦に向けて、ひと言。
岩佐:「ランキングトップじゃないから守りに入る立場ではないので、ポール・トゥ・ウインを目指すだけ。コースとの相性も悪くないと思います。いままで通りやるだけです」
