マクラーレン、ノリスへの処分を撤回。2戦連続同士討ち、アメリカのクラッシュはピアストリに責任
マクラーレンは、F1シンガポールGP決勝スタートでオスカー・ピアストリに接触したランド・ノリスに軽い処分を与えることを決めていたが、アメリカGPスプリントでのインシデントについて調査した結果、ノリスへの処分を撤回することを決めた。スプリントでは再びふたりは接触し、ともにリタイアに終わった。
オースティンでのスプリント開始直後、ピアストリのマシンはニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)に接触して跳ね返り、ノリスのマシンに当たった。この一連のインシデントがもとでマクラーレンは2台ともターン1で脱落した。

レース直後、マクラーレンCEOザク・ブラウンは、ヒュルケンベルグとフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がスペースを残さなかったと示唆し、非難していた。しかしレース後に詳細な映像解析を行った結果、見解は変化した。
ピアストリが前を行くノリスに対して勢いをつけようとアウト側から鋭くカットインした動きが、接触の大きな原因となっていたと考えたマクラーレンは、ノリスに対する処分をすべて白紙に戻す決定を下した。
ノリスがどのような罰を受けるのか、マクラーレンは明かしていなかったが、予選における出走順の優先権に関するものだった可能性がある。
ピアストリは、オースティンでのクラッシュの責任の一部が自分にあると認めた。
「改めてすべてを振り返った。僕たちは毎週末、何が起ころうと必ず検証を行うことにしている」とピアストリはメキシコシティGPを前にして語った。
「スプリントについては、僕の側にも一定の責任がある。今週末はお互い白紙の状態からスタートする。単純に、レースをしてどちらが上に行けるかを競うだけだ」
ピアストリは、今回のリセットの一環として「ランド側への処分が撤回された」とも認めた。
現在、ピアストリ、ノリス、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がドライバーズタイトルをかけて戦っているが、次第にフェルスタッペンからの脅威が大きくなりつつある。アメリカGPのスプリントでマクラーレンのふたりがノーポイントに終わり、日曜決勝ではノリス2位、ピアストリ5位という結果だったのに対し、フェルスタッペンはスプリントと決勝の両方を制し、ふたりとのポイント差を大きく縮めた。
メキシコを前に、ランキング3位のフェルスタッペンとポイントリーダーのピアストリとの差はわずか40ポイント、ランキング2位のランド・ノリスとの差は26ポイントとなっている。