2025.10.17

スプリントの有無で「チケットの売れ行きは変わらない」とCOTA会長。価値を高める点は評価


シャルル・ルクレール(フェラーリ) 2024年F1第19戦アメリカGP
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 サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)のボビー・エプスタイン会長は、F1におけるスプリントイベントはグランプリのチケットの売り上げにはつながらないと述べたものの、観客が「サーキットで過ごす時間が長くなる」ため、サーキットの収益は増えると考えている。

■スプリントは「チケットの価値を高める」

 アメリカ・テキサス州のオースティンに位置するCOTAは、ロス・ブラウンが10年近く前にスプリントを導入して以来、断続的にスプリントイベントの開催を試みてきたが、レッドブルリンクを除くほとんどのサーキットは、実際にはスプリントイベントに積極的ではない。

 プラス面としては、1回のフリー走行セッションを除き、マシンがコースに出ている他の時間がすべて競技セッションとなるため、観客がより有意義なトラックアクションをフォローできるということがある。しかし、スプリントイベントを開催するにはF1に500万ドル(約7億5000万円)とみられる追加費用を支払うことになっており、その金額のせいでかなり多くのプロモーターが関心を失っている。

 COTAのエプスタイン会長は、来年はスプリントを行わないと決めており、将来進むべき道が不確かであることを認めている。一方でこのアメリカ人実業家は、「スプリントイベントはチケットの価値を高めていると思うし、その点では感謝している」と認めつつ、「そのおかげでチケットの売り上げが大幅に伸びたかどうかはわからないが、ファンは好意的に受け止めているようだ」とすぐにつけ加えた。

 F1がメインイベントの前哨戦としてショートレースをカレンダーに組み込むと発表した瞬間から明らかだったように、エプスタインはスプリントイベントについて、「すぐには魅力的な資産とは見なされず、必ずしもチケットの売り上げを伸ばすわけではなかったが、チケットの価値を高め、人々により多くのものを与えてくれるので、我々はそれを常に高く評価している」と語った。

 また同氏は、「チケット販売の促進に繋がるかどうかはまだわからないが、ウイークエンドパスを購入して観客のサーキットでの滞在時間が長くなれば、それは我々にとって良いことだ」と強調した。

 興味深いことにエプスタインは、「スプリントレースの有無によってグランプリに来るかどうかを決める人がいるとは思えない」と素直に認め、「それが重要な要因かどうかはまだわからないが、もしかしたら要因のひとつになるかもしれないし、さらにその傾向が強まっているかもしれない。データを見て、土曜日のチケット販売と日曜日や金曜日のチケット販売において観客動員数やスキャン率に変化があったかどうかを確認する必要がある」とつけ加えた。

 それでもCOTAの会長は、現在入手可能なデータに基づき次のように締めくくった。「売上や需要の面で目立った変化は見られなかったが、エンターテインメント性が高まることは間違いなく、それが我々にとって重要であることに疑いの余地はない」

スプリントの有無で「チケットの売れ行きは変わらない」とCOTA会長。価値を高める点は評価
2024年のF1第19戦アメリカGP


(Text:GrandPrix.com / Translation:AKARAG)

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