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グランプリのうわさ話:クリスチャン・ホーナー、自身を訴えた女性に約6億円を支払い和解へ
事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
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クリスチャン・ホーナーの元パーソナルアシスタントが彼を相手取って起こした訴訟は、両者が和解に達したため取り下げられた。フェルスタッペンに極めて近いオランダのメディアは、レッドブルの元チーム代表が、彼女が告訴を取り下げれば300万ポンド(約6億1300万円)を支払うことに同意し、彼女はその申し出を受け入れたと報じた。
同じ情報筋によると、フィオナ・ヒューウィットソンは、レッドブル社と関係のある弁護士から法的助言を受けていたという。その場合、レッドブルがホーナーに辞任を迫るため全力を尽くしていたことが明確になる。元パーソナルアシスタントに強力な弁護士の味方をつけて、彼を訴える手助けをしたのだ。
この一件が報道されてから数日後、ヒューウィットソンは実際にはシンガポールGPのパドックでキャデラックのために仕事をしており、週末に行われた数々の会議でダン・タウリスCEOとチーム代表グレアム・ロードンの両者をサポートしていた。
キャデラックは、CEOのダン・タウリスとチーム代表のグレアム・ロードンを筆頭に、経営陣をシンガポールGPに派遣した。チームの新広報責任者であり、フォース・インディアとルノーで仕事をした経験を持つパドックのベテランのルーシー・ジェノンが、ふたりのメディア対応のアポイントをまとめた。また、他の数名を引き連れて、FIA関係者、FOM経営陣、他チームのメンバーとの数多くの会議も行った。
ロードンにとって、これは特に有益な旅だった。というのも、彼は今シーズンほぼすべてのグランプリに来ているが、シンガポールでは他のサーキット周辺よりもパドックから徒歩で行けるホテルが数多くあるため、サーキット外で個人的な会議を開くことが簡単だからだ。
来年キャデラックが起用するふたりのメインレースエンジニアの名前も明らかにされた。バルテリ・ボッタスは、現在アルピーヌの名の下に運営されているチームのエンストンの拠点に15年近く在籍した、ベテランのジョン・ハワードとともに仕事をすることになる。
セルジオ・ペレスの方は、元ザウバーのデータエンジニアであるカルロ・バッチェッティと緊密に協力することになる。両エンジニアはすでにチームのシルバーストン拠点で作業中なので、シーズン終了前にキャデラックが古いフェラーリを使って行うテストに参加できるだろう。
フェリペ・ドルゴヴィッチは、実質的にアストンマーティンのテスト兼リザーブドライバーとして3年間を過ごし、IMSAとル・マン24時間レースに数回出場したのみだったが、アンドレッティ・チームとともにフォーミュラEに転向する予定だ。ローレンス・ストロールのチームは、このブラジル人が移籍して新しいキャリアに集中することになるため、来年に向けて新しいリザーブドライバーを見つける必要がある。
ストロール家の私的な友人であるベテランのストフェル・バンドーンは、チームのリザーブドライバーのひとりとしてシートを維持する予定だ。一方で、2年目となるFIA F2で現在ランキング2位につけ、トップのレオナルド・フォルナローリに19ポイント差に迫るなど、今シーズン素晴らしい仕事をしているジャック・クロフォードが、ドルゴヴィッチの直接の後任となるようだ。
このアメリカ人ドライバーは、アルピーヌにレースドライバーとして起用される現実的な可能性がないことを理解している。まだシートに空きがあるのは、フランスのチームだけとなっている。そのため、彼はアストンマーティンに与えられた役割を受け入れ、おそらくスポーツカーで他のレースにいくつか出場し、レース本能を磨いていくことになるだろう。