フェラーリ、得意のシンガポールGPで失速「3周ほどプッシュした後、ブレーキが効かなくなった」
F1シンガポールGPは、これまでフェラーリが得意とするコースで、ドライバーのシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンもともに優れた結果を出してきた。しかし、2025年のシンガポールGPでフェラーリは惨敗に終わった。
予選で事態はすでに悪化しており、両ドライバーともセカンドロウを手にするポテンシャルを持っていたと見られていたが、両者の些細なミスにより6番手と7番手となり、最終結果とレースペースはブレーキの問題によって損なわれた。
1周目にハミルトンとアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)を抜いたルクレールは、「8周目からは基本的にブレーキ管理がすべてだった。このようなコースでは誰もがある程度は何とかしなければならないと思うが、そのなかでも僕たちは最悪で、非常に困難な状況だった。レースは全体的にとてもトリッキーだった」といい、最終的にはアントネッリにポジションを奪われて6位フィニッシュとなった。
チーム代表のフレデリック・バスールは、「何が悪かったのかということを知ることから始めなければならない。実際、何もうまくいかなかったのだ」と認め、「ふたりのドライバーのブレーキがすぐにオーバーヒートを起こしたため、レース開始直後からリフト・アンド・コーストに徹することになった」と説明した。
バスールは、「ラップタイムのロスだけでなく、ドライバーにとっても困難な状態だった。彼らはブレーキバランスをつねに調整しなければならず、ブレーキの方法やタイミングの変化にも対応していた。シャルルとルイスにとって非常に厳しいレースだった」と語った。
ハミルトンに目を向けると、46周目にフリーピットストップでソフトタイヤに交換したが、バスール代表は「ルイスのペースは素晴らしかったが、3周ほどプッシュした後、ブレーキが効かなくなった」と振り返った。
ソフトタイヤを武器にアントネッリを追い抜こうと並んだとき、残り3周の時点で左フロントのブレーキディスクがダメージを負った。それでもハミルトンはマシンをコントロールし、チェッカーフラッグまで走り続けたが、ランオフエリアを繰り返し使用したため5秒のペナルティを科され、アロンソに次ぐ7位に降格となった。
しかしバスールにとっては、ブレーキの問題が決定打となった。彼は次のように語った。
「ペースがあったのに、我々はマシンの潜在能力を活かせなかった。確かに今週末のメルセデスは、どういうわけか手の届かないところにいた。それでも我々はマクラーレンとマックス(・フェルスタッペン)と戦うべきだったのに、それもうまくはいかなかった」
「次のオースティンでは、マシンが持つすべての能力を引き出さなければならない。我々はレース運営において多くのミスを犯し続けているが、これはすぐに対処しなければならない問題だ」