キャデラックF1にマイアミGPの元会長が加入へ。初開催からチケット完売を実現した立役者の商業戦略に期待
キャデラックのF1参入が、さらに大きく後押しされた。元F1マイアミGP会長のタイラー・エップが、同チーム初のグローバルコマーシャル戦略責任者に就任することが明らかになった。
エップはマイアミGPの会長在任中に、モータースポーツイベントのレベルを高める能力を発揮してきた。彼はマネージングパートナーのトム・ガーフィンケルとともに、マイアミGPのプロモーターであるサウスフロリダ・モータースポーツを率いて、マイアミ・インターナショナル・オートドロームを運営し4年連続でチケットを完売させるという成果を出した。またマイアミGPは高い基準を打ち立て、F1の歴史において、アメリカのテレビ視聴者数トップ5のうち4つを記録した。
「我々のチームの商業部門を構築するのに、これ以上優れたリーダーシップと先見の明のある人物はいなかっただろう」と、キャデラックF1とTWGモータースポーツのCEOを務めるダン・タウリスはコメントした。
「マイアミGPをF1カレンダーの目玉イベントのひとつに押し上げた彼の功績は、国内および世界において、彼のスポーツに対する比類ない統率力を証明するものだ」
エップの任命は、キャデラックがF1で強力な存在感を確立する意図を示している。エップは、カンザスシティ・チーフス、サンディエゴ・パドレス、チップ・ガナッシ・レーシングを含む、NFL、野球、レースの分野で上級管理職を20年以上務めており、チームの商業戦略を推進するのに十分な能力を持っている。
「ゼロからチームを成功させるには素晴らしいリーダーシップが必要であり、キャデラックF1チームが抱くビジョンや野望を実行に移すには特別な人材が必要だ」と、キャデラックF1チーム代表のグレアム・ロードンは述べた。
「タイラーはF1の基準を設定する組織を育成してきた確かな業績があり、彼の運営に関する専門知識が我々の組織にとって重要な資産になると確信している」
エップは自身の就任についてコメントし、新たな役割に対する熱意を表明した。
「私はキャリアの大半をレースに費やし、ここ数年はアメリカのモータースポーツの可能性を再定義することに貢献してきた。アメリカで我々のスポーツを活性化させるのに、これほど刺激的で将来有望な機会は考えられない」
「キャデラックF1チームでは、アメリカの伝統と創意工夫に根ざした、F1の世界的な勢力になる態勢が整っており、私は当初からこの取り組みに参加できることを非常に誇りに思っている」
キャデラックがF1参入の準備を進めるなかで、エップのリーダーシップは、チームの商業的アイデンティティを形成する上で極めて重要となり、彼は経験を活かしてアメリカの革新性とスポーツの世界的な魅力を融合させるだろう。