【予選日レポート】
フェルスタッペンがPP獲得、ローソンが3番手。6回の赤旗が入る大荒れの展開に【予選レポート/F1第17戦】
9月20日、2025年F1第17戦アゼルバイジャンGPの予選が行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が通算46回目/今季6回目のポールポジションを獲得した。
6回の赤旗が入る大荒れの展開となるなか、2番手にカルロス・サインツ(ウイリアムズ)、3番手にリアム・ローソン(レーシングブルズ)が続いた。角田裕毅(レッドブル)は6番手となった。
第17戦の舞台はカスピ海に面したアゼルバイジャンの首都バクーに特設されたバクー市街地サーキットとなる。気温21度、路面温度28度、湿度62パーセントというコンディションで予選Q1は開始された。
今大会では最も柔らかいC6コンパウンドがソフトタイヤに割り当てられた。このC6は柔らかくタイムを出しやすい反面、プッシュラップを終える前にタイヤの限界を迎えてしまうといった現象が第7戦エミリア・ロマーニャGPの予選では見られた。
そのため、最大グリップはソフトタイヤ/C6に届かずも、全セクターで100パーセントのパフォーマンスで走り切れるミディアムタイヤ(イエロー/C5)がこの予選から登場することが予想されていた。
全20台がQ1最初のアタックに向かうなか、ノリス、ピアストリ、フェルスタッペン、角田の4台はミディアムタイヤを履いてコースに入った。ファーストアタックでは、ソフトタイヤのシャルル・ルクレール(フェラーリ)が1分41秒982を記録するなか、0.228秒差の2番手にフェルスタッペン、0.425秒差の3番手にノリス、0.896秒差の8番手に角田と続いていた。
ただ、ピアストリがアタックを終える前に、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)がターン1イン側のウォールに左フロントタイヤをヒットし、足回りにダメージを負ってマシンを止めた。これで残り時間11分33秒でQ1セッションは赤旗中断となった。
セッション再開を迎えると、メルセデス勢、アストンマーティン勢、レーシングブルズ勢、キック・ザウバー勢がミディアムタイヤに履き替え、この時点ではソフトタイヤよりも、ミディアムタイヤ装着車の方が多数となった。
そんななか、少数派のソフトを履くルイス・ハミルトン(フェラーリ)が1分41秒821を記録して暫定首位に浮上。ミディアムのピアストリが0.018秒差の2番手、そして角田が0.526秒差の5番手にタイムを上げた。その直後、ニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)がターン4でウォールにヒットし2度目の赤旗に。
残り時間6分36秒でQ1は再開を迎えた。新品ソフトに履き替えたノリスが1分41秒322を記録してQ1をトップで終えた。0.009秒差の2番手にはユーズドのミディアムを履いたフェルスタッペン、0.136秒差の3番手にユーズドのソフトを履いたルクレールが続いた。角田は最後にソフトを履き1分42秒347を記録、Q1を12番手で終えた。
なお、セッション終盤にピエール・ガスリー(アルピーヌ)が強めに吹く風の影響もあってかターン4を曲がりきれずエスケープに。これでイエローが振られるなか、フランコ・コラピント(アルピーヌ)がターン4でウォールにクラッシュし3度目の赤旗が提示、バクーの予選はQ1から大荒れ模様となった。
Q1敗退の5台は16番手コラピント、17番手ヒュルケンベルグ、18番手エステバン・オコン(ハース)、19番手ガスリー、そして最初の赤旗原因となったアルボンが20番手となった。
15分間のQ2が開始されると、オリバー・ベアマン(ハース)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、サインツの3台がミディアムタイヤでコース入り。
そんななか、ベアマンがターン2で右リヤタイヤをウォールにヒットし、コース上にマシンを止めた。Q2はこれで残り時間11分54秒、まだ誰もタイムを計測できていない序盤から赤旗提示(4回目)となった。
セッション再開を迎えるとアロンソ、サインツに加え、メルセデス勢、レッドブル勢、ルクレールがミディアムでコースへ。そんななか、ソフトを履くノリスが1分41秒396で暫定首位に浮上すると、0.050秒差の2番手にフェルスタッペン、0.059秒差の3番手にミディアムのジョージ・ラッセル(メルセデス)が続いた。
このタイム差もあり、ピットに戻ったノリスはすぐさまミディアムタイヤに履き替えてコースに戻る。さらに、ルクレールはトラックリミット違反でタイム抹消となり、ここで新品のソフトタイヤに履き替えた。また、角田はQ2最初のアタックで1分41秒967(ミディアム)を記録しセッション終盤を迎えた。
終盤、ミディアムタイヤのフェルスタッペンが1分41秒255を叩き出し、Q2を首位で終える。0.141秒差の2番手にノリス、0.159秒差の3番手のピアストリと続いた。以下、4番手ラッセル、5番手アントネッリ、6番手ルクレール、7番手ローソン、8番手アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)、9番手サインツ、10番手角田までがQ3進出。角田は最後のアタックはセクター3で出遅れるも、自己ベストを1分41秒788(ミディアム)まで縮め10番手でQ3進出を決めた。
Q2敗退の5台は11番手アロンソ、12番手はFP2をトップで終えていたルイス・ハミルトン(フェラーリ)、13番手ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)、14番手ランス・ストロール(アストンマーティン)、そしてクラッシュを喫したベアマンが15番手となった。
ポールポジションを決める12分間のQ3が始ると、わずかに雨粒が落ち始めた。そんななか、Q3序盤から新品ミディアムタイヤを履いたのはフェルスタッペン、ピアストリ、ラッセル、ルクレールの4台だった。しかし、ラッセルはターン4を曲がりきれずエスケープに入ってしまう。さらに、ルクレールがターン15のバリアにクラッシュし、5回目の赤旗提示に。
降り始めた雨粒は徐々に強まり、国際映像で雨粒が視認できるほどに。赤旗提示時点でタイムを記録できたのは1分41秒595を記録した暫定首位サインツ、2番手ローソン、3番手ハジャーの3台のみだったことから、もし雨が強まればサインツがポールポジション獲得するという状況に。
ただここではサインツの願いは叶わず、セッションは残り7分7秒、雨が止むなかで再開された。マクラーレン勢は新品ソフトを履き、フェルスタッペンは2周ユーズドのミディアム、角田は新品のソフトを履いた。ただ、アタックに入ったピアストリがターン3でクラッシュを喫し、6回目の赤旗中断に。
この赤旗は再開後真っ先にコース入りしたフェルスタッペンがチェッカーのラインを超える寸前にだったこともあり、すでにアタックに入っていたフェルスタッペン(ユーズドミディアム)、ローソン(新品ソフト)、ハジャー(新品ソフト)、ノリス(新品ソフト)、ラッセル(ユーズドミディアム)、アントネッリ(新品ミディアム)の6台は総じてタイムを記録できず。なお、角田はウォームアップ中だったため、この赤旗では大きな影響を受けずに済んだ。
コース上は8台となるなか、残り3分41秒でセッションは再開された。1アタックで勝負が決するなか、一度止んだ雨粒がまた落ちじめた。
最後のタイヤ選択はサインツ(2周ユーズドミディアム)、ローソン(2周ユーズドソフト)、ハジャー(2周ユーズドソフト)、フェルスタッペン(新品ソフト)、ノリス(2周ユーズドソフト)、ラッセル(新品ソフト)、アントネッリ(2周ユーズドミディアム)、角田(1周ユーズドソフト)となった。
そんななか、フェルスタッペンが1分41秒117を記録し通算46回目/今季6回目のポールポジション獲得を決めた。0.478秒差の2番手にサインツ、0.590秒差の3番手にローソンが続いた。
以下、4番手アントネッリ、5番手ラッセル、6番手角田、7番手ノリス、8番手ハジャー、そしてタイムを計測できなかったピアストリが9番手、ルクレールが10番手となった。
ノリスはターン15でウォールにタッチしたこともあり、タイムを伸ばせず。また、角田はフェルスタッペンから1.026秒差ながら6番手という、レッドブル移籍後最高位となる好位置で予選を終えている。
2025年F1第17戦アゼルバイジャンGP、51周の決勝レースは21日の日本時間20時(現地時間15時)にスタートが切られる予定だ。