キャデラックF1と契約のコルトン・ハータ、F1の夢追求でインディからF2へ。CEOは“リスクのある”決断を称賛
コルトン・ハータは2026年にキャデラックF1チームのテストドライバーに就任すると同時に、FIA F2に参戦するという選択をした。F1ドライバーになるのが夢だというハータは、スーパーライセンス取得に必要なライセンスポイントが不足しているが、FIA F2に参戦しながらポイント加算を目指すことになるだろう。
アメリカ出身25歳のハータをテストドライバーに起用することを明かした際に、キャデラックF1を運営するTWGモータースポーツのCEOダン・タウリスは、ハータが2026年にはFIA F2に参戦する計画であると明言した。インディカーで優勝9回、表彰台19回という実績を持つハータが、慣れ親しんだインディカーを離れ、F1のジュニアカテゴリーに参戦するというのは思い切った決断だ。
「彼はF2に参戦することになる。だからサーキットを覚えなければならないし、タイヤを学ばなければならない。タイヤはその大きな部分を占めていて、インディカーとは全く違う」とタウリスは語った。
「夢を追うためにそのリスクを取ろうとするコルトンを、この上なく誇りに思う」
アメリカF1チームのキャデラックは、いずれアメリカ人ドライバーを走らせたいという希望を持っているが、現在のハータはスーパーライセンス取得に必要なポイントを持っていない。
規定では、ドライバーは直近3シーズンで合計40ポイントを集めなければならず、各年の選手権順位に従ってポイントが付与される。また、F1のフリープラクティス1回目への出場でも1ポイントを得ることができる。
2026年に向けてハータが持っているライセンスポイントは35ポイントだ。インディカーで2023年ランキング10位(1ポイント)、2024年ランキング2位(30ポイント)、2025年ランキング7位(4ポイント)というのが彼の直近3年の成績だった。
翌年2027年に向けては、2024年と2025年のポイント(34ポイント)に加えて2026年の間に6ポイント以上を稼ぐ必要がある。FIA F2に参戦するのであれば、ランキング8位以上で6ポイント以上が付与される。
さらに、キャデラックF1は、ハータをFP1に出場させることで、ポイント加算を助けることができる。
ハータは来年インディカーに残っていれば、ランキング6位以上で40ポイントに達することができた。しかし、彼がインディカーから去って、ヨーロッパに移るという大胆な選択をしたのには、一定の合理性がある。
過去5シーズンでハータがインディカーでランキング首位争いに加わったのは一度だけであり、2026年により良い成績を収められるかどうか疑問だった。そして、スーパーライセンスポイントの配点システムは、インディカーよりFIA F2の方が有利に設定されている。さらに、タウリスが指摘したとおり、FIA F2に参戦することにより、新しい課題について学び、未経験のサーキットで経験を積むことができる。
ハータはさらに、ピレリタイヤの基本的な特性を学び、FIAが発行するドライビングガイドラインにも慣れる必要がある。それはインディカーで許されていることとは大きく異なっている。どれほど才能あるドライバーであっても、キャリアのほとんどを全く異なる環境で過ごしてきた場合、完全に新しい状況にすぐに適応するのは簡単なことではない。しかし、ハータがF1ドライバーの夢に向けて大きく前進するには、すぐさま結果を出す必要があるだろう。