2025.09.05

「フリー走行は専門家にしか魅力がない」F1のドメニカリCEO、将来的なスプリントフォーマット拡大を示唆


2025年F1第13戦ベルギーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
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 F1は、スプリントウイークエンドの開催を中止することは考えていないようだ。F1のCEOであるステファノ・ドメニカリ氏は、オランダGPが行われたザントフォールトで少数の報道陣に対して、2026年にスプリント大会の開催に必要な追加費用を支払うプロモーター6社を見つけるのに苦労したにもかかわらず、その旨を説明した。

 ドメニカリは、今後のスプリントイベントを含むグランプリの数や、近い将来に試される可能性のある代替フォーマットについて議論が続いていることを認め、次のように話した。

「今後数年間の導入を前提とした代替フォーマットに関する話題が、スプリントも含めて議題に上がっている。こうした週末を増やすか否か、またどのように増やすのか、現在の形式とは異なる形式を取り入れるのかといったことを検討する必要がある。我々はチームと話し合い、将来に向けてどのような方向性を取るべきか検討しているところだ」

「少数の年配ファンを除けば、多くのファンはますますスプリントの週末を求めるようになっている。プロモーターもこのフォーマットを推進しており、今ではドライバーも関心を持っている」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
スプリントを制したマックス・フェルスタッペンに湧くファン

 ドメニカリはスプリントフォーマットを擁護し、「今日では、フリー走行は特別な専門家にとってしか魅力がないと言えるだろう。一般的なファンはスプリントが起こすアクションに対してさらなる関心を持っているはずだ。(フリープラクティスが中心の)金曜日は、予選結果の予測や週末のパフォーマンスなど、すでに多くのトピックがあるが、私はこれからスプリントフォーマットがF1文化の一部になっていく必要があると理解している。数年後には、毎週末同じフォーマットが求められるようになると確信している」とまで語った。

 F1のCEOは、現在のドライバー全員の支持を得ていることを明らかにし、次のように述べた。

「当初は、スプリントフォーマットに対するドライバーらの反応は好意的ではなかった。具体的には18名が反対し、2名が賛成したのだが、今日では状況は好転しつつある。オーストリアで我々が主催した夕食会で、このことについて話し合ったが、全員が支持を表明していた。私がふたりきりで話をしたマックス(・フェルスタッペン)でさえ、それが理にかなっていると認めたので、誰もがその変化を理解できるはずだ」

 ドメニカリは、F1は時代に合わせて進化し、伝統を忘れるべきだと主張し、「ドライバーはレースをするために生まれてきた。そして、今日のチームは素晴らしいシミュレーションツールを持っていることも考慮に入れなければならない。AI(人工知能)の導入なども含めて、数年前とは多くのことが異なっているだろう。クルマを準備する際にも、どういったことが可能になっているのかを想像する必要がある。そこで一般の人たちの話に戻るが、予選、スプリントレース、グランプリのいずれであっても、ドライバーたちがコース上で結果を目指して競い合う姿を誰もが見たいと思っていると、私は考えている」と説明した。

 最後にドメニカリは、次のように述べた。「プロモーターやファンはアクションを望んでおり、それが実現可能であることが理解され始めている。我々の調査によると、大多数の人々はドライバーが結果を目指して競い合う場面を見たいと思っている。簡単に言えば、彼らはフリー走行に飽きている。これは、無視できない客観的な事実だ」

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(Text:GrandPrix.com / Translation : AKARAG)

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