【決勝日コメント】
メルセデス2台がそれぞれルクレールと接触。リタイアに追い込んだアントネッリはフェラーリを訪れ謝罪
2025年F1オランダGP決勝で、メルセデスのジョージ・ラッセルは4位、アンドレア・キミ・アントネッリは16位だった。
5番グリッドのラッセルは、スタートでシャルル・ルクレール(フェラーリ)の後ろに落ちた後、セーフティカー出動時に最初のピットストップを行い、ルクレールの前に出た。しかしバーチャルセーフティカー後にルクレールに抜かれて、ラッセルは6番手に。その際に接触が起き、フロアにダメージを負った。
そのためマシンのパフォーマンスが低下し、ラッセルはチームの指示でアントネッリを先行させた。しかしアントネッリは自分がピットストップを行った翌周にタイヤ交換を行ったルクレールを、ターン3で追い越そうとして、ルクレールのマシンサイドに接触。ルクレールはスピンしてウォールにクラッシュし、その場でリタイア。アントネッリはタイヤがパンクし、ピットインすることになった。
この接触の責任ありとしてアントネッリには10秒のタイムペナルティが科された。さらにピットレーンでスピード違反を犯したため、5秒のタイムペナルティが追加。アントネッリは6位でフィニッシュしたものの、16位に降格された。レース後、フェラーリ代表フレデリック・バスールは、アントネッリが謝罪に訪れたと明かしている。
ラッセルはダメージを負ったマシンで走り続け、ルクレールとアントネッリが脱落し、ランド・ノリス(マクラーレン)がリタイアしたことで、4位をつかんだ。
ラッセルとルクレールのインシデントに関しては審議が行われたが、どちらにもペナルティは科さないという裁定が下された。
■ジョージ・ラッセル(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=4位(72周/72周)
5番グリッド/タイヤ:ミディアム→ハード→ソフト
「今日は僕たちにとって厳しいレースだった。シャルルとの接触でフロアに大きなダメージを負った。あのシケインは通常、誰もオーバーテイクを仕掛けない場所だし、あの動きは楽観的すぎた。接触によって事実上、表彰台争いのチャンスは終わってしまった。その後は1周あたりほぼ0.5秒を失っていたので、4位フィニッシュというのはむしろ予想以上の結果といえるかもしれない」
「とはいえ、今週末あまり強いパフォーマンスを発揮できていなかったし、表彰台は難しかっただろう。アイザック(・ハジャー/レーシングブルズ)は素晴らしいレースをしたから、表彰台にふさわしい」
「4位は自分たちが望んでいた位置ではないが、コンストラクターズ選手権でフェラーリとの差を縮めることができたのは良いことだ。次はモンツァだ」
■アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=16位(72周/72周)
11番グリッド/タイヤ:ミディアム→ハード→ソフト→ソフト
「今日のレース結果は本当に残念だった。ペースは強力で、マシンの感触もとても良かった。11番手スタートからいくつかポジションを上げ、表彰台争いに加われるかどうかを見据えていた。ルクレールとのインシデントがなければ、間違いなく良い結果を得られただろう」
「シャルルとの差を縮めた時、アンダーカットを試すチャンスが訪れた。それによってタイムを稼ぎ、彼のすぐ後ろを走ることになった。ターン3をタイトにいこうとしたが、僕に少しオーバーステアが出て、彼がバンクから降りてくる時に、接触を避けることができなかった。誰かのレースを終わらせてしまうのは決して気分の良いものではない。シャルルとフェラーリには申し訳なく思う」
「次はモンツァで、僕にとって2度目のホームレースだから楽しみだ。シングルラップ改善の作業が僕にとって優先事項だ。毎回前方からスタートできれば有利になるからね。ザントフォールトで得たポジティブな点は、ペースが強力だったとことだ。引き続き努力を続ければ、結果はすぐに出ると確信している」