感覚とタイムの差に当惑。ドライビングも見直しマシンを準備「これまで以上の自信」を得るも12番手【角田裕毅F1第15戦展望】
2025年F1第15戦オランダGP金曜日のフリー走行1回目では、ロングランは安定していたものの、ショートランのタイムが伸び悩んで16番手に低迷した角田裕毅(レッドブル)。セッティングを変更して臨んだフリー走行2回目ではショートランは改善されて7番手に浮上したものの、ロングランのペースが落ちてしまった。
そこで金曜日の夜、角田はエンジニアたちとデータを見直して、さらなるセッティング変更を行った。
「セットアップだけでなく、自分のドライビングも見直して、ショートランのスピードを犠牲にすることなく、ロングランにも対応できるようにセットアップしました。いま僕たちができる最大限の対応はできたと思います」(角田)
今回、角田はフリー走行1回目からチームメイトのマックス・フェルスタッペンとまったく同じ仕様の空力パッケージを使用している。セッティング面で、チームメイトのセットアップは参考になっていたのだろうか?
「はい、参考になりました。ただ、あまりチームメイトの動向を意識しすぎることなく、自分の仕事に集中していました」
こうして臨んだフリー走行3回目で、角田はショートランでは12番手と少し順位を下げたものの、金曜日よりもタイヤを労ることができるまでにロングランが改善された。
「これまでのグランプリに比べて、ここまで順調にきていて、予選にはこれまで以上の自信を持って臨むことができました」
その自信は予選に入っても変わらなかった。しかし、タイムが伸びない。Q1でのフェルスタッペンとのタイム差は0.258秒だったが、これはフェルスタッペンが1セットしかタイヤを使わなかったため。1セット目のタイヤでのタイム差は0.907秒もあった。
Q2に入ると、フェルスタッペンが自己ベストをさらにコンマ5秒以上も更新して3番手でQ3へ進出したのに対して、角田はQ1の自己ベストから約コンマ3秒上げるにとどまって12番手に終わり、Q2で敗退した。
気になるのは、Q2の自己ベストの1分09秒622は最後のアタックではなく、1セット目のタイヤで出したタイムだった。最後のアタックでも角田はセクター1とセクター3では区間自己ベストをマークしていた。タイムが伸びなかったのはセクター2。24.785秒はQ2の1回目のアタックで記録した24.737秒より0.048秒遅かった。
セクター2で何があったのか?
「特にミスしたわけでもなく、正直、少し奇妙です」
角田はそう振り返ると、こう続けた。
「クルマのなかで感じているフィーリングとタイムに思っていた以上にギャップがあって、腑に落ちていません」
セットアップに失敗したわけでもなく、ドライビングエラーをしたわけでもないのに、タイムが思っていたほど上がらなかったオランダGP予選での角田。
釈然としない様子で、角田はミックスゾーンを後にした。