改良版ウイング投入で初日から2台が同じスペックに。ショート/ロングランのバランスを探る【角田裕毅F1第15戦展望】
シーズン後半戦に入り、多くのチームがマシンの開発を2026年にシフトしており、夏休み明け初戦のオランダGPにアップデートを持ち込んだのは3チームだけだった。そのひとつが、レッドブルだ。
テクニカルディレクターのピエール・ワシェによれば、「今回のアップデートは、ハンガリーGPでマックス・フェルスタッペンに投入したフロントウイングの改良版」だと言う。
夏休み前の最後の1戦となったハンガリーGPで、レッドブルはハイダウンフォース仕様の新しいフロントウイングをフェルスタッペンにだけ投入した。しかし、フリー走行1回目でフェルスタッペンが試すと、風洞実験とは異なり、期待通りのパフォーマンスが出ていなかったため、フリー走行2回目以降は従来型のハイダウンフォース仕様のフロントウイングに戻した。
この従来型のフロントウイングは角田裕毅がフリー走行1回目から使用していたスペックと同様で、それ以外のパーツは元々2台とも同じだったため、ハンガリーGPのフリー走行2回目以降は2台とも同スペックとなった。それが、ハンガリーGPの初日に、角田がレッドブル加入後初めてフェルスタッペンを上回る結果に繋がった。
ハンガリーGPでフェルスタッペンだけに投入したアップデートが不発に終わったレッドブルは、オランダGPまでに改良したフロントウイングを2台分用意した。2026年の開発も重要だが、現在レッドブルが抱えている空力の開発問題を解決しなければ、2026年の開発にも影響すると考えているからだろう。そして、そのためにはフェルスタッペンだけでなく、角田のフィードバックも必要だと判断したと考えられる。
チーフエンジニアのポール・モナハンも「今週末、我々の2台のマシンはまったく同じスペックで走る」と、アップデートされたフロントウイングはもちろん、その他の空力パッケージも同じ仕様だと語った。
そんななかで始まったオランダGP初日のフリー走行。角田はフリー走行1回目の中盤にスピンを喫した。しかし、これはアップデートパーツの性能を確認していたなかで起きたスピンだった。
「理想的ではありませんが、少なくとも限界点は把握できました」
そう語った角田は、フリー走行2回目に向けて、セットアップを変更。それが功を奏して、7番手のタイムを叩き出した。フェルスタッペンとのタイム差も約コンマ3秒と、悪くない滑り出しとなった。
ただし、フェルスタッペンは依然としてマシンに満足していない。角田もこう語る。
「フリー走行2回目ではショートランはよくなりましたが、逆にロングランが大きくペースダウンしました。これはフリー走行1回目とは逆。土曜日以降に向けて、ショートランとロングランの最適なバランスを見つけける必要があります」
角田の初日のフリー走行での7番手は、第5戦サウジアラビアGPの6番手に次ぎ、第11戦オーストリアGPの7番手と並ぶ好位置。しかし、前半戦の角田はそのいい走りを結果に結びつけることができないまま終わった。
夏休み明け初戦のオランダGPから始まる後半戦で、角田に期待するのは、何よりも結果。それは角田自身が一番理解している。