2026年F1デビューのキャデラック、年内にコース走行を実施する計画。ペレスがフェラーリの旧型車でテストか
新生キャデラックF1チームは、2026年に参戦を開始する準備として、実際のグランプリウイークエンドの間にシミュレーションを実施していることを明かした。また、他チームのF1カーを使用して、コース上でのテストも行う計画であることがわかった。
8月26日、キャデラックは、2026年のドライバーラインアップとしてバルテリ・ボッタスおよびセルジオ・ペレスと契約したことを発表した。その記者会見において、チーム代表グレアム・ロードンは、来年の開幕戦までの準備について、いくつかのプランを明かした。
ボッタスは今年末までメルセデスとのリザーブドライバー契約に拘束されるため、フルタイムでチームの準備にかかわるドライバーはペレスのみとなるが、ボッタスもすべての重要な決定に大きく関与する。
ロードン代表は、ボッタスがキャデラックと共に働き始める自由を与えたメルセデスに感謝の意を示した。
「メルセデスのすべての人々、特にトト(・ウォルフ/メルセデスF1チーム代表)に対して感謝の意を表したい。彼らはバルテリと我々の話し合いにおいて非常に協力的であり、適切なタイミングでのスムーズな引き継ぎを調整することにおいても、非常に助けになってくれた」
「私はメルセデスに心からの敬意を抱いている。彼らもバルテリに対して敬意を示しているのを見るのはうれしいことだ。誰もが彼が再びグリッド上でレースするのを見たいと望んでいると思う。トトはその点で非常に助けになってくれたので、それを記録に残しておきたい」
ボッタスは「(キャデラックでの)仕事が始まるが、グレアムが言ったように、僕はまだメルセデスと契約しており、引き続きすべてのレースウイークエンドにリザーブとして参加する」と認めた。
「そのため、僕が(キャデラックでの仕事に)割ける日数は限られる。どのように、いつ、どこで、という詳細には触れないが、最初のテストの前に下される重要な決定に関しては、僕もかかわっていくつもりだ」
ボッタスの隣に座ったペレスは、自分の状況について、次のように説明した。
「僕の場合は、それほど難しくない。今は仕事をしていないから、チームと連絡を保つのが(ボッタスよりも)簡単なんだ。近いうちにファクトリーを訪問するつもりだし、すでに、僕から意見を加えたい事柄については、チームに連絡を取っている」
「スピードを取り戻すために、今年の終わりまでに、コース上で走行することができるかどうか、状況を見ていく。冬のテストが始まるまでに可能な限り準備を整えておきたいからね」
キャデラックはF1マシンを持たないため、コース走行をする場合は、パワーユニット(PU)サプライヤーであるフェラーリから、旧型マシン、たとえば2023年仕様のSF-23を借りる可能性が考えられる。それができれば、2026年に向けて、フェラーリのパワーユニットとギヤボックスについて知り、それに慣れる機会となる。
ロードンは、フェラーリとのこういった取り決めについて言及することはなかったが、テストを行う可能性について次のように述べた。
「我々には、使用できるTPC(Testing of Previous Cars)カーや現行マシンがない」
「しかし、今年、走行テストを行うつもりだ。もちろん、そのためには、他者と協力しなければならないが、それは規則の下で完全に許されている」
ロードンはまた、チームはすでにレースウイークエンドのシミュレーションを行っていることも明かした。
「我々はすでにレースイベントのシミュレーションを行っている。次に行うのはモンツァの週末だ。木曜日から日曜日までの全期間にわたって、チーム全員が完全に統合された形で、完全なレース週末であるかのようにシミュレーションを行う」
「来年の(開幕戦)メルボルンに向けて、非常に明確な計画を持っている。さまざまな項目があるが、レースをシミュレーションすることは非常に大事だ。前回のシミュレーションでは、イギリスとアメリカの両拠点で、50人から60人のエンジニアリング要員が週末全体を通してフル稼働し、互いに協力し合う作業に慣れるために取り組んだ」
「メルボルンに到着した時に、スタッフ同士が初めて互いの声を聞いたり、初めて一緒に作業するといった状況は避けなければならない。シミュレータープログラムも現在フル稼働している」
「メルボルンですぐさまスムーズに仕事ができるよう、着実に積み上げていく計画を用意している」