ボッタス、F1復帰の場合は初戦でペナルティを消化へ。規則変更で設けられた“期限”は過去の裁定に適用されず
バルテリ・ボッタスは、2026年にキャデラックからF1に復帰を果たすかもしれないが、白紙の状態からスタートするようになるわけではない。FIAは、ボッタスが2024年の最終戦アブダビGPで科された5グリッド降格ペナルティは依然有効であり、彼は復帰後最初のレースでそのペナルティを消化する必要があると述べた。
ボッタスは、同じくベテランドライバーのセルジオ・ペレスとともにキャデラックの新プロジェクトを先導するものと予想されているが、どちらのドライバーについてもキャデラックは発表を行っていない。
元キック・ザウバーのボッタスは、2024年のアブダビGPでケビン・マグヌッセン(当時ハースに所属)と衝突したことについてペナルティを受け、スチュワードは「同ドライバーが参加する次のレースでグリッドポジションを5つ下げる」という裁定を下した。しかし、ペナルティはいまだ消化されていない。というのも、ボッタスは2024年末にザウバーのシートを失い、アブダビでのインシデント以来レースに出場していないからだ。
ボッタスが復帰時にペナルティを受ける必要があるかどうかという問題は、スポーツレギュレーションの改正により、今年さらに複雑になった。更新されたFIAのルールブックには、グリッド降格の制裁に期限が含まれており、そのようなペナルティは、「ドライバーがその後の12カ月間に参加した次のスプリントまたはレースにおいて」消化される必要があると規定されている。
一部では、この変更はボッタスに対する制裁の期限が切れたことを意味すると考えられた。しかしFIAは、この改正はレギュレーション変更後に科されるペナルティにのみ適用され、古いルールにもとづいてすでに科されたペナルティには適用されないことを明確にした。
FIAの広報担当者は『TheRace』に対し、「現時点では、当時のレギュレーションにもとづいて適用されたペナルティを遡及的に修正する仕組みがないため、ペナルティは有効となる」と語った。
「(2026年の)レギュレーション変更は、今後同様の異常な状況を避けることを目的としている」
FIAのレギュレーション調整は、長期間にわたって延期されたペナルティが将来まで残るのを防ぐことを目的としているが、ボッタスのケースは、ルール変更のタイミングによってドライバーがふたつのF1統治の時代の間に挟まれることになるという、稀有な例となっている。