ルクレール、次世代F1マシンへの適応は簡単でないとの考え「体に染み付いた“筋肉の記憶”を消去する必要がある」
フェラーリのシャルル・ルクレールは、2026年に導入されるF1の新規則がドライバーを未知の領域に導くことになると考えている。ドライバーたちは、キャリアを通じて培ってきた多くの知識や感覚を忘れ、根本的に再設計されたマシンで、ゼロからやり直すことが求められるというのだ。
数十年ぶりの大改革となる来年の規則変更では、マシンの空力特性とハイブリッドパワーユニットの両方が大きく変わる。パワーの半分が電気エネルギーから生み出され、内燃機関では持続可能燃料が使用される。そして可動式のフロントウイングとリヤウイングを用いるアクティブ・エアロダイナミクスが導入され、ドライバーは全く新しい挑戦に直面することになる。
ルクレールは初期シミュレーションを通じてその片鱗をすでに体感しており、これまでに経験したどのマシンとも違う感覚だったと認めている。
「今、慣れ親しんでいるものとは本当に大きく違う」とルクレールは語った。
「キャリアを通じて学んできたことの多くを忘れて、白紙の状態から始める必要があると思う」
「4歳からこのスポーツにかかわってきたのに、体に染み付いた筋肉の記憶のある部分を消し去らなければならないというのは、少し奇妙な感覚だ。でも、それもゲームの一部だし、ルールを少し見直して、新たなパフォーマンスを見つけ出す挑戦でもある。その挑戦を楽しみにしているが、とにかく今までとはまるで違う」
ルクレールが示したこの感想に、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンも同調している。アルボンは、次世代マシンにおいては、エネルギーデプロイメントの面などから、パワーユニットを最大限活用することがより重要であり、ドライビングスタイルを変える必要もあると指摘する。
「運転は難しい。ドライバーへの負担、特に精神的な負荷はかなり大きいと思う」とアルボンは『PlanetF1』に対して語った。
「エンジンとデプロイメントの使い方を理解することがとても重要で、異なるドライビングスタイルを学ばなければならない。ただ、それも規則の一部だ。結局のところ、テクノロジーの問題だ。だからマシンそのものやその性能にそれほど驚きはなかった。むしろ頭を切り替えて、パワーユニットを理解し、それをどう最大限に活用するかを考えることの方が重要だった」