2025.08.17

【F速プレミアム】
王者フェルスタッペンの戦い:新代表メキースとの初仕事に満足「エキサイティングな新時代が始まった」


2025年F1第13戦ベルギーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とローレン・メキース新代表
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 F1第13戦ベルギーGPからクリスチャン・ホーナーに代わってローレン・メキースが新代表に就任。マックス・フェルスタッペンとはどんな関係を築いていくのだろうか。F1スイス在住のF1ジャーナリスト、マチアス・ブルナーがベルギーGP、ハンガリーGPの2連戦について語る。
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 未来に向けて邁進するレッドブル・レーシングは、もし変化が必要とあらば躊躇はしない。スパ・フランコルシャンで行われたベルギーGPを前に、彼らは長年チームボスを務めてきたクリスチャン・ホーナーの職を解き、後任にフランス人のローレン・メキースを迎えた。

 マックス・フェルスタッペンは言う。「ローレンにとっては大忙しの2週間だった。この難しい状況に、いきなり放り込まれたようなものだったからね。でも、彼のモチベーションがとても高いことはすぐに分かって、その点では安心したよ。彼は内なる炎を持っている。僕は人として彼が好きだし、フェラーリやFIAでたっぷり経験を重ねてきたクレバーな人物であることも知っている」

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 メキースは新たな職で理想的なスタートを切った。スパのスプリントで、フェルスタッペンがその実力を遺憾なく発揮したのだ。ポールシッターのオスカー・ピアストリに襲いかかるべきタイミングは、スタート直後のケメルストレートの終わりであることを、マックスは承知していた。そして、計画どおりに攻撃を仕掛けてリードを奪うと、そのままフィニッシュまで走りきったのである。

 スプリントでの通算12勝目(3勝以上をあげたドライバーは他にはいない!)のあと、フェルスタッペンはこう語っている。「オスカーにチャレンジする場所は、あそこしかないと最初から思っていて、運良くすべてがうまく行った。でも、彼がずっと背後に迫っていたから、わずかなミスも許されれなかった。15周を最初から最後まで、予選ラップのように全力でドライブしたよ」

 しかし、本番のベルギーGPは、競争力という点ではいつもの状況に戻っていた。マックスは予選4番手からスタートし、4位でフィニッシュした。マクラーレンの2台の速さは別格で、フェラーリのシャルル・ルクレールがそれに続いて3位に入ったのだ。

 フェルスタッペンは言う。「スプリントでの勝利が、現実を正確に反映していないのは分かっていた。それでも、表彰台の一角は狙えると思っていたんだけどね。残念なことに、レースの再開までずいぶん待たされて、あのコンディションではシャルルの方が速かった。ウェット路面で走る時間がもう少し長ければ、僕にもチャンスがあったと思う。ファンの立場から言っても、面白い雨のレースを見る機会を奪われたことになる。あそこまで再開を遅らせた意味がわからないよ」

 一週間後のハンガリーで、マックスは彼にとって疑いの余地はなかったことを、あらためて明言した。「もちろん、来年もレッドブル・レーシングにとどまる。僕がこのチームを離れるとかいう話はいったい何だったのか、まったく理解できないよ。別のどこかへ行きたいなんて、一度でも言った? いや、言っていないはずだ」

「チームの中では、それはずっと前から明白だった。僕は2026年に向けて全力で働いてきて、チームのみんなもその様子を見ている。もし僕がチームを去るつもりだったとしたら、それこそ不可解な行動ということになるだろう」

 ハンガリーの週末にはクルマが思いどおりにならず、フェルスタッペンはひどい苦戦を強いられた。「フリープラクティスでも予選でも、クルマのバランスが安定せず、グリップもなければスピードもなくて途方に暮れてしまった。セットアップの面でいろいろなことを試したけど、どれも改善には役立たなかった」

 そんな状況の必然的な結果として、彼はレースを9位で終えた。「この週末に関しては、ポジティブなことは何もなかった。本当にひどいものだったよ。それに加えて、ルイスとのインシデントでスチュワードに呼び出されたけど、その理由がどうしても理解できなかった。僕が試みたアタックに反応して、彼はレーシングラインを外した。それだけのことで、僕らは接触すらしていない。まったく何もなかったんだ」

 マックスはペナルティを科されることを怖れただろうか。「いや、全然。レースを9位でフィニッシュしたあと、さらにペナルティを受けたからといって、僕にとっては何の違いもない」

 だが、実際には何のペナルティも下されなかった。FIAの判断は「ノー・ファーザー・アクション(さらなる措置を要さず)」だったのだ。

 その一方でマックスは、新たなチームボスのメキースとの初仕事には満足していた。「彼は適切な質問をして、こちらの答えによく耳を傾けてくれた。レッドブル・レーシングのエキサイティングな新時代が始まったと言ってもいいだろうね」

2025年F1第14戦ハンガリーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2025年F1第14戦ハンガリーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)


(Mathias Brunner/Translation:Kenji Mizugaki)

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