シューマッハーもキャデラックと交渉。WEC参戦を続けるためリザーブ/開発ドライバーを希望か
ミック・シューマッハーは、2026年にキャデラックがF1に初参戦する際のドライバー候補として注目を集めていると報じられている。現在26歳で元ハースF1のドライバーであるシューマッハーは、F1に復帰する決意を隠していないが、情報筋によると、キャデラックとの話し合いは前向きに進んでいるという。
しかし、シューマッハーがフルタイムのレースシートを確保するのは依然として難しく、『TheRace』の報道によると、シューマッハーは進行中のキャデラックとの交渉において、世界耐久選手権での活動を継続しながら、おそらくはリザーブおよび開発の役割でF1パドックに復帰する希望を示しているということだ。
キャデラックは、2026年のラインアップの発表を遅らせ、ファンとドライバーを不安にさせている。シートのひとつは、おそらくセルジオ・ペレスかバルテリ・ボッタスといった経験豊富なドライバーに渡ると予想されるが、ふたつ目のシートはまだわからない。このシートの候補については、周冠宇、角田裕毅、ジャック・ドゥーハン、フェリペ・ドルゴビッチ、ポール・アーロン、そしてジャック・クロフォードら若手ドライバーが有力視されており、ここに2021年と2022年のシーズンを通してハースからF1に43回出走したシューマッハーが加わることになる。
シューマッハーはハースを離れて以来、アルピーヌからWEC世界耐久選手権に参戦し、表彰台獲得を果たすなど、F1以外でもその多才さを証明した。先月ブラジルで行われたWECの第5戦サンパウロ6時間レースで、シューマッハーは、キャデラック加入の可能性について最新情報を語った。
「そうだね、もちろん話し合いは続いている」とシューマッハーは語った。
「これまでのところ、コミュニケーションはとても良好だ。彼らはすでに、そのために膨大な数の人材を雇用している」
「彼らと交渉する一員となり、素晴らしい立場にいることができて光栄だ」
レースシート確保への希望はまだ残っているが、キャデラックのリザーブドライバーとしての役割であれば、シューマッハーはF1での経験とメルセデスで得た知識を活かすことができ、スポーツ界のエリートレベルの近くに居続けることができるだろう。
また同時に、シューマッハーはWECの旅を続けることができる可能性がある。興味深いことにシューマッハーは、WECのキャデラック・ハーツ・チーム・JOTAにおいて、2009年F1世界チャンピオンであるジェンソン・バトンの後任の最有力候補となっているようで、ル・マン優勝者のアール・バンバーや、元F1ドライバーのセバスチャン・ブルデーとともに、38号車キャデラックVシリーズ.Rでレースをする可能性がある。
このふたつのプログラムは戦略的に合致し、キャデラックのより広範なモータースポーツへの野望と、レースでの鋭さを維持したいというシューマッハーの強い希望を結びつけることになるだろう。キャデラック・ハーツ・チーム・JOTAは、12号車が2025年のル・マン24時間耐久レースでポールポジションを獲得し、サンパウロ6時間レースでは優勝を飾るなど成功を収めており、シューマッハーにとって才能を披露するための魅力的な場となっていることは間違いない。
話し合いが継続中であること、また、シューマッハーには前向きな見通しがあることから、元FIA F2チャンピオンの彼が間もなくF1に復帰する可能性はある。そうなれば、彼自身とキャデラックの野心的なF1参入の両方にとって、新たな章が始まることになる。