アストンマーティン育成のクロフォード、キャデラックF1と交渉。今季のFIA F2の成績が大きな鍵に
FIA F2のトップドライバーのひとりであり、アストンマーティンのジュニアドライバーでもあるジャック・クロフォードは、新規参入するキャデラックF1チームにおいて垂涎の的となっているレースシート獲得に名乗りを上げ、2026年のデビューを前にしたキャデラックと初期段階の交渉を行っていることを認めた。
今年F2に参戦しているクロフォードは、これまでに3勝を挙げて現在ドライバーズ選手権で2位につけており、トップとはわずか7ポイント差だ。F2で3年目を迎える20歳のクロフォードは、F2での今年のシーズンが、F1への野望を左右するかもしれないことを自覚している。
クロフォードは、レッドブルのジュニアプログラムで4年間を過ごしたあと、2024年初頭にアストンマーティンの開発ドライバーとなり、F2のタイトルを争いながらF1を目指している。しかしF1のレースシートはわずか20席しかなく、ベテランドライバーの名前がすでにキャデラックの最終候補者リストに挙がっていることから、アメリカ人のクロフォードはこの競争が激しいことを理解している。
「今年、F2で何をするかによって大きく左右されるだろう」とクロフォードは認めた。
「タイトルを獲得できたら、僕のキャリアにとって素晴らしいことになる。それは、グリッド上のシートを得ることや、来年F1でふたたびリザーブドライバーになるなど、多くのチャンスにつながる可能性がある」
「キャデラックやアストンマーティン、あるいは他のチームであっても、僕たちはグリッド上でスペースを見つけようとしている」
クロフォードは、初期段階ではあるが、キャデラックとの協議が進行中であることを認めた。
「話し合いはあるし、僕も話しているが、現時点ではとても遅い」とクロフォードは明かした。
「僕としては、F2でいい仕事をするだけだ」
キャデラックは、アンドレッティ・グローバルが開始した当初のプロジェクトを引き継いだTWGモータースポーツの管理の下、2026年にF1に参入する予定であり、その立ち上げのラインアップについては、さまざまなドライバーがうわさに上っている。バルテリ・ボッタスやセルジオ・ペレスといった経験豊富な名前が候補に挙がっている一方、ミック・シューマッハーや周冠宇といった若手も検討対象になっていると言われている。
それでも、勢いのある新進気鋭のアメリカ人ドライバーとして、クロフォードはゼネラルモーターズが支援するチームにとって重要な役割を果たすかもしれない。特にチームは、彼らのルーキーシーズンにおいて、アメリカのファンの関心を捉えようとしているのだ。
今年のチャンピオンシップタイトルは、クロフォードにとって有利に働くかもしれない。それまでは、彼は自分が最も得意とすること、つまりレースに勝つことと、無視できない存在になることに集中するだろう。