ハンガリーで大苦戦のレッドブル。レーシングブルズから開発のヒントを得ることは不可能「起源や過程が違いすぎる」と代表
レッドブルのさらなる弱点が露呈した手痛いF1第14戦ハンガリーGPの週末のあと、チーム代表のローレン・メキースは、姉妹チームであるレーシングブルズから魔法のような解決策が見つかることはないと明言した。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、ブダペストで9位という順位を獲得するのみだったが、一方レーシングブルズのリアム・ローソンはハンガロリンクの曲がりくねったコースにおいて、はるかに順応性のあるマシンで8位に入賞し貴重なポイントを持ち帰った。このような成績の違いがあることから、レッドブルがレーシングブルズのより安定したパッケージの要素を模倣しようとするのではないかという憶測がすぐに広まった。
しかし、メキースはそれを断固として否定した。
「いや、その質問は妥当だと思うが、マシンには起源がある」と、姉妹チームの設計から学ぶ可能性について問われたメキースは、ハンガリーで記者団に語った。
「マシンの起源とになっているものが違いすぎるため、一方のマシンからもう一方へ何かを移すことはできない。今日のF1はそのようになっている」
「ご存知のとおり、10の独立したチームそれぞれが、マシン開発の範囲、開発の過程で遭遇した困難、それらの結果として最終的にどのような開発過程を辿ったのかということについて、独自のアイデアを持っている。あるマシンから別のマシンに取り入れられるものは何もない。初期からどのように開発されたかということにかかっているのだ」
メキースは、両チームのデザインパフォーマンスの違いを認め、RB21のコンセプトは独自の軌道に乗っており、社内で解決する必要があると主張した。
メキースによると、ハンガリーでのレッドブルの苦戦は最初のセッションから明らかだったという。メキースは、チームがFP1以降困惑していたと振り返った。
「私が言えることは、FP1のファーストラップからそうだったということだ。我々は互いに顔を見合わせて、『何が起こっているんだ?』という感じだった」
「低速、中速のコーナーすべてで、我々が非常に遅いことがわかった。それはバランスに関連したことだとは言えなかった」
「我々はマシンを適切なウインドウに置くことができないと感じ、タイヤを作動させることができなかった。FP1では時々起こることだが、これほどの規模ではない」
チームはフェルスタッペンと角田裕毅の両方のマシンに複数のセットアップのバリエーションを試したが、どれもうまくいかなかった。
「よかった点は、チームが実際にコースに出て、両方のマシンでさまざまなことを試したことだ。しかしそれでも何も変わらず、タイヤを作動させることができなかった」
「ロングランでもショートランでも、時には運や実力によって適切な作動範囲に入ることもあるが、今回は決してそうならなかった。予選でも同様だった」
「もちろん、最良のサンプルを見て、実際には問題はなかったと考えることもできる。しかし実のところ、平均的にも完全に元に戻ることはなかった」
レッドブルは以前、RB21が非常に狭いセットアップウインドウ内で動作することを認めていたが、メキースによると、ハンガリーは最悪のシナリオだったという。
「ウインドウは狭く、時には大変狭くなるときがあるというのが今年のテーマだったと思う」
「今日はそれ以上のことがあった。マシンを走らせることができなかった」
マシン特性を熟知しているフェルスタッペンでさえ、根本的に扱いにくいマシンからパフォーマンスを引き出すことがほとんどできなかった。
「彼(フェルスタッペン)はマシンが作動していたときのことを知っているので、これは大きなアドバンテージだ。彼はマシンがうまく機能していないことをわかっている」
「そして特にこのような状況では、バランスの問題はあまりなかったものの、ここで本来持つべきグリップのレベルを見つけるのに苦戦したようだ。こういった状況で彼が非常に大きな助けになったのは確かだ」
レッドブルはかつての圧倒的な地位から転落し、開発の行き詰まりに直面している。そこには、容易な解決策も姉妹チームとの相乗効果も存在しない。RB21は独自のモンスターであり、現時点ではフェルスタッペンの才能をもってしてもそれを安定的に制御することはできていない。