後続をダブルスコアで引き離すマクラーレン。手に負えないマシンのレッドブルは前半戦でタイトル遠のく【トップチーム密着】
3月14日に開幕した2025年のF1は、第14戦ハンガリーGPを終えて、現在夏休みに入っている。
夏休み前の時点でコンストラクターズ選手権のトップに立ったのはマクラーレンだ。昨年のアゼルバイジャンGPで10年ぶりにコンストラクターズ選手権のトップに返り咲いたマクラーレンは、その後も得点を積み重ねて、昨年の選手権で1998年以来26年ぶりとなるタイトルを獲得した。
その強さは今年に入っても衰えることなく、開幕戦から優勝。その後も10チーム中、唯一全レースでポイントを獲得し、コンストラクターズ選手権2位のフェラーリにダブルスコア以上の差をつけて首位を独走している。
なお、マクラーレンが夏休み前の時点でコンストラクターズ選手権で首位に立っているのは、2007年以来18年ぶりのこと(1位マクラーレン138点、2位フェラーリ119点)だ。
ただしこの年、マクラーレンは夏休み前の最後の1戦となったハンガリーGPで、チームメイトのルイス・ハミルトンとチャンピオンシップ争いを演じていたフェルナンド・アロンソがチームと激しく対立して、夏休みに突入。夏休み期間中にスパイゲートが発覚。その後、シーズン中に獲得したコンストラクターズポイントを剥奪されるという重い処分を受けた。今年もマクラーレンはチームメイト同士で激しくチャンピオンシップ争いが展開しているだけに、2007年の二の舞だけは避けたいところだ。
フェラーリも今年はここまで全戦でポイントを獲得しているが、第2戦中国GPではレース後に車検で失格となった。この中国GPでの12点はレースではなく、スプリントでのルイス・ハミルトンの優勝による8点とシャルル・ルクレールの5位による4点だった。ただし、それ以外のレースではすべて得点し、しかも開幕戦以外は2桁得点をマークして、コンストラクターズ選手権2位につけている。
そのフェラーリに24点差で肉薄しているのが、メルセデスだ。メルセデスもフェラーリ同様、ハンガリーGPまでの14戦中、モナコGP以外の13戦でポイントを獲得している。ただし、1桁得点がエミリア・ロマーニャGPとイギリスGPの2度あり、しかもイギリスGPではジョージ・ラッセルの10位による1点にとどまったのが痛かった。
このトップ3の後塵を拝しているのが、レッドブルだ。夏休み前の時点でレッドブルがトップ3圏外となるのは、2015年以来、10年ぶりのこと。この年は夏休み前の時点でメルセデスがトップ(383点)でフェラーリが2位(236点)。3位はウイリアムズ(151点)で、レッドブルは55点差をつけられて96点で4位だった。この年のレッドブルは後半戦でも復調することができないまま、ウイリアムズとの55点差を跳ね返すことができず、逆に点差を70点に広げられてコンストラクターズ選手権で4位に終わった。
今年のレッドブルがその2015年よりも状況が芳しくないのは、夏休み前の最後の1戦となったハンガリーGPで、マックス・フェルスタッペンが8位に入賞したリアム・ローソン(レーシングブルズ)の後方9位でチェッカーフラッグを受けたこと。レッドブルの最上位ドライバーが、姉妹チームのレーシングブルズの最上位ドライバーの後方でフィラッシュしたのは、今シーズン初めて。4連覇王者のフェルスタッペンですら、手に負えないマシンとなってしまったRB21。コンストラクターズ選手権はもちろんのこと、フェルスタッペンのドライバーズチャンピオン連覇も限りなく遠のいている。