ストロールに批判的な姿勢のドイツメディアに対し、アストンマーティンは個別取材を拒否か
アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チームは、『Sky Germany』のF1解説者とチーム関係者との個別インタビューを拒否したと報じられている。これは、同局が最近、チームとそのドライバーであるランス・ストロールについて批判的な発言をしたことに対する直接的な反応とみられている。
先週末のF1第14戦ハンガリーGPで状況は頂点に達し、『Sky Germany』の記者ピーター・ハーデナッケとコンサルタントのラルフ・シューマッハーは、アストンマーティンF1チームへの直接のアクセスを拒否された。ドイツの新聞『BILD』によると、チームはアストンマーティンのチーフトラックサイドエンジニアであるマイク・クラックに連絡を取った後、インタビュー時間の正式な要請を拒否したという。
シューマッハーは、「彼らは今のところ、我々のことをあまり好んでいないので、これ以上のインタビューは受けないだろうということはわかっている」とレースウイーク中に認めた。
この動きは、第12戦イギリスGP後のSkyのポッドキャスト『Backstage Pitlane』で、シューマッハーが発した辛辣な言葉に対する反応のようだ。そのエピソードのなかでシューマッハーは、ストロールがチーム無線で怒りを爆発させたことを批判した。ストロールは、今年3月の第2戦中国GPでトップ10フィニッシュを果たしたにもかかわらず、自分のアストンマーティンのマシンを「今までドライブしたなかで最悪のクソ車」と評したのだ。
シューマッハーはアストンマーティンのドライバーをためらわず批判し、自身の機材に関する侮辱的な発言には、懸命に仕事をしているクルーに対する敬意がほとんど示されていないため、「まったく受け入れられない」と述べた。
「我々は彼に対して厳しすぎるとよく批判されるが、そういうときもあるかもしれない」とシューマッハーは認めた。
「この発言は非常に残念だと言わざるを得ない。正直に言って、これはマナーの問題だ。外部への影響を想像しなければならない。ふたりがレースをできるように、メカニックたちは毎日働いている。そこに社長の息子がやって来てこう言う。『素晴らしい。しかも、ひどいクルマなのに』とね」
「これはまったく受け入れられないことであり、絶対にあってはならないことだと言わざるを得ない。次のレースでは彼が謝罪することを期待している」
「これは恥ずべきことであり、言葉では言い表せない。このことは育ちに問題があることを示している。彼がどんな映画に出演していると思っているのかはわからないが、そのような発言は彼自身の成果を損なうことになる」
Sky Germanyのハーデナッケは緊張関係があることを認め、最近の放送の論調を考えると、チームの反応は理解できるかもしれないと示唆し、「我々はアストンマーティンの人々に対して少々批判的すぎた」と述べた。
報道によると、取材拒否は独占インタビューのみに適用され、『Sky Germany』は依然として公式記者会見や公開メディアセッションに参加する権利を保持している。
しかし今回の展開は、編集上の偏向があるとみなしたF1チームがメディアのアクセスを拒否するという珍しい例であり、放送局がパドック内の仕事上の関係を損なうことなくどこまで批判を行えるのかという、新たな疑問を提起している。ドイツF1界の最も著名な人物であるシューマッハーと、グリッド上で最も知名度の高いチームの間に溝があり、彼の率直な姿勢がそれを深めることになるのか、それとも和解を促すことになるのか、現時点では不明だ。