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グランプリのうわさ話:イモラを押しのけ予備グランプリの座を射止めたトルコ
事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
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来年マドリードが初めて開催するグランプリの実現可能性については、疑問が尽きないようだ。建設工事は今年の初夏に始まり、主催者は定期的にF1と連絡を取って進捗状況を報告しているにもかかわらず、このような状況となっている。
ブダペストでF1の関係筋は、物事は予想通りに進んでいるものの、商業権保有者は「そうしたことはよくある」ため、土壇場でパニックに陥る可能性を覚悟していると語った。なお、現在マドリードでは、サーキット建設を阻止しようとする訴訟や、イベントの資金調達に関する深刻な疑念など、多くの問題が持ち上がっている。そこでステファノ・ドメニカリは安全策を講じ、ハンガロリンクでトルコGPの代表団と会談し、2026年の予備グランプリ開催契約を提案した。
■regist■イモラが予備グランプリの座さえも奪われたという事実は、ドメニカリが故郷のサーキットがもはや現代のF1レースの要求に応えられるとは考えていないことを示している。一方、イスタンブール・パークは設備がはるかに近代的であり、市街地から離れているためアクセスもイモラよりはるかにスムーズだ。そのため、マドリードが来年のカレンダーから外れることを余儀なくされた場合、F1は2021年以来初めてトルコに戻ることになるだろう。
2026年のコンコルド協定については、FIA、F1、そして来年初めから競技に参加する11チームによる署名がまだ行われておらず、現在、このスポーツは完全な合意が成立しないままシーズンの終わりを迎えるのではないかという、もっともな懸念がある。今シーズンの開幕直前に、すべてのチームが新コンコルド商業協定に署名したとF1が発表したのは事実だが、ドメニカリが押しつけようとした契約条件にFIAが同意しなかったことは言及されなかった。なお、現在はスポーツの統括について定める第2のコンコルド協定があり、その協定がまだ合意に至っていない。
ここでも、問題となっているのはFIAとの関係のようだ。F1と各チームは、スポーツのあらゆる側面に対するコントロールを強化することを望んでいると考えられているが、FIA会長のモハメド・ビン・スライエムはその可能性に完全に反対しており、実際にはレギュレーションの書かれ方におけるコントロールをさらに取り戻したいと考えている。ブダペストで話を聞いた数人のチーム代表によると、メルセデスのモーターホームでジョン・エルカーン、フレデリック・バスール、トト・ウォルフ、マクラーレンの代表としてアレッサンドロ・アルンニ・ブラビが参加した上層部の会議が行われた後、フェラーリ、メルセデス、マクラーレンは共同戦線を張ったが、この問題はしばらく続くようだ。
エンリコ・カルディレは、フェラーリのシャシー担当テクニカルディレクターの職を辞してから1年以上が経ったため、ついにシルバーストンにあるアストンマーティンのファクトリーで仕事を始められるようになった。カルディレは、経営陣とかなり険悪な状態となってスクーデリアを去った。フレデリック・バスールは、18カ月前にマラネロに着任して以来、自分が守り、昇進させた人物に裏切られたと感じており、カルディレの契約にある1年のガーデニング休暇を短縮する交渉を拒否した。
カルディレがすでにアストンマーティンの技術部門の主要メンバー数名と連絡を取り始めたことをフェラーリが知ると、状況はさらに悪くなった。フェラーリは差し止めを申し立て、それが認められた。
イギリスの裁判所はスクーデリアに有利な判決を下し、アストンマーティンと連絡を取った日数をガーデニング休暇に加えたため、フェラーリを辞めてから13カ月が経った今になってようやく、カルディレはシルバーストンのファクトリーに正式な立場で入ることができ、月曜日が初出勤日となった。