ルノー新CEO「F1はアルピーヌにとって中核戦略の一部」と明言。株式売却の噂が広がるも、F1継続の意向を表明
ルノーの新CEOであるフランソワ・プロボは、アルピーヌF1チームの過半数株式の売却が差し迫っているといううわさを止めるべく迅速に動き、「F1はアルピーヌにとって中核戦略の一部であり、これを変えるつもりはない」と明言した。
チームのパフォーマンス不足とルノーの貧弱な決算結果が相まって、エンストンを拠点とするチームは売りに出されるだろうとほとんどの観測筋が確信していた。アルピーヌは現在コンストラクターズ選手権で最下位になっている。ピエール・ガスリーが獲得した20ポイントがすべてで、9位のハースとはすでに大きな差があり、順位を上げることは夢にも思えない。しかしプロボは、新たな仕事に就くとすぐに、スタッフと他の株主たちを安心させることを決めた。
ルノーがF1のパワーユニットの開発を終了し、アルピーヌが2026年からメルセデスのカスタマーチームになることを受けて、新CEOは次のように語った。
「F1チームにとってただひとつの優先事項はパフォーマンスだ。今年のパフォーマンスの向上、そしてもちろんそれに加えて、2026年に新しいマシンで成功することだ。これはF1に与えられた独自の優先事項だ」
プロボが言及しなかったのは、フラビオ・ブリアトーレがチーム体制のなかで特殊な状況に置かれていることだった。2008年のシンガポールGPでの悪名高きクラッシュゲート事件で果たした役割により、ブリアトーレはF1から永久追放処分を受けた。そのため、公式にはチームを代表することはできないものの、チーム代表代理を務めるブリアトーレは、ルノーの前CEOルカ・デメオと良好な個人的関係を築いており、彼からCEOのエグゼクティブアドバイザーに任命されていた。
プロボは、ブリアトーレよりも負担にならない人物をチーム代表として、またエンストンでの側近として迎え入れたいと考えているかもしれないが、9月初旬からは新たな人物とやっていかなければならない。ベテランのスティーブ・ニールセンがアルピーヌのマネージングディレクターに就任し、ファクトリーとレースチームを運営することになるが、彼はプロボとルノーの新取締役会が選出したチーム代表の下で仕事をすることになるかもしれない。
チームの価値を大幅に上げることになると予想される新たなコンコルド協定の調印が遅れているため、F1チームの買収に関心を持つ複数の投資家は買収を保留している。現在のオーナーで同協定発効前に売却を望んでいる者はいないためだ。ほとんどのチームは、新契約によりチームの価値が最大30%増加すると確信しており、すべての利害関係者が新しい契約に署名するまで、チームの株式が売買される可能性は低いだろう。