グリップ不足を解消できず。夏休み前にシミュレーター作業へ「いい走りがここまで結果に繋がらず残念」【角田裕毅F1第14戦分析】
2025年F1第14戦ハンガリーGPの日曜日の午前11時40分すぎ、国際自動車連盟(FIA)から、レッドブルが角田裕毅(レッドブル)のマシンに搭載されているパワーユニットのうち、ICE(内燃機関)、ターボチャージャー、MGU-H、MGU-Kの4つのコンポーネントを新品の5基目にしたという報告があった。
その理由を角田はこう説明した。
「イモラ(第7戦エミリア・ロマーニャGP)でクラッシュしてから、シーズンのどこかで5基目を入れなければならない状況で、今回16番グリッドからのスタートとなったので、ここでエンジンペナルティを消化しておいたほうがいいという判断です」
これにより、角田は16番グリッドではなく、ピットレーンからスタートすることとなった。ピットレーンスタートが決まったことで、角田はセッティングも変更できる。予選までレッドブルはグリップ不足に悩まされていたため、セットアップを変更することもできた。
しかし、角田はほとんどセッティングは変更しなかったという。
「グリップ不足を解消する方法を知っていたら、もっと早くやっていたでしょうね。でも、残念ながら、その方法を僕たちは知らないままなので、ピットレーンスタートでもグリップ不足はほとんど変わりませんでした」
ミディアムタイヤでスタートした角田は20周目にソフトタイヤに履き替えて、ペースアップを図るが、なかなか上がらない。じつはこのとき角田はフロントウイングにダメージを受けていた。
「レースの途中で何か異物を拾って、フロントウイングにダメージを負ってしまい、ペースが落ちてしまいました。すでに基本的なペースに苦しんでいたので、そのダメージによって僕のレースはほとんど終わってしまった」
当然、チーム代表のローラン・メキースも、角田に不利があったことは認識しており、ハンガリーGPの17位という結果をそのまま評価はしていない。むしろ、予選のQ1でチームメイトのマックス・フェルスタッペンにコンマ1秒台まで肉薄した走りを「過去何年間か、ここまで縮めたドライバーはいないと思う」と評価していた。
そうなると、問題はこの日のレースで9位に終わったフェルスタッペンも含めて、ハンガリーGPで陥ったグリップ不足の原因を突き止め、夏休み明け初戦のオランダGPまでに解決策を講じることだ。メキース代表、そしてフェルスタッペンとともにサーキットを後にした角田は、夏休みに入る前にまだやるべき仕事が残っている。
「明日僕はイギリスのファクトリーへ行って、シミュレーターに乗って、何が問題だったのかを分析する予定です。というのも、夏休み明け初戦の第15戦オランダGPが行われるザントフォールト・サーキットはここと似たようなダウンフォースレベルなので、改善することができなければ、今週と同じような週末になってしまいます」
レッドブルに移籍してからの12戦を角田はこう振り返った。
「いい走りがここまで結果として残らなかったのは残念ですけど、チームには評価してもらっています。自信を持って後半戦に臨みたい」
後半戦で結果が出ることをチームもファンも期待している。