無線の聞き取りにくさはレイアウト由来の風が一因か。シューベルトのサービスマンを直撃/F1 Topic
F1第13戦ベルギーGPで角田裕毅(レッドブル)とレースエンジニアのコミュニケーションがうまくいかなかったことに関係しているのかどうかはわからないが、ベルギーGPの角田の無線で気になっていたことがある。それは、角田からレースエンジニアへの声が聞き取りづらかったということだ。
そのため、レースエンジニアのリチャード・ウッドは週末を通して、何度か角田に「今、なんて言ったのか聞こえなかったから、もう一度言ってほしい」と聞き返していたほどだった。
角田と言えば、最近になって、ヘルメットをアライからシューベルトに変えた。そのタイミングと聞き取りづらくなったタイミングに近いので、シューベルトのサービスマンを務めるスベン・クリーターを直撃した。
クリーターは筆者の指摘に驚いた様子で、こう説明してくれた。
「まず、無線システムはヘルメットに装着するのではない。ドライバー側のマイクはバラクラーバに装着するので、管理しているのはヘルメットメーカーではなくチームだ。もし、ヘルメットが無線に影響しているとすれば、ベンチレーションのために設けている口の付近にある吸気口から入る風が考えられる。というのも、スパは高速なので、風圧が高い。それ以外に考えられる要因は、ドライバーの声の大きさと音質。声が小さかったり低音だとマイクが感度を上げて、風の音を拾うケースが考えられる」
クリーターによれば、「もしヘルメットに関して、何か問題があれば、チームから問い合わせがあるはずで、それは今のところない」とヘルメット由来の問題を否定した。
ハンガリーGPのフリー走行1回目を聞く限り、ベルギーGPよりも角田の無線はクリアになっていた。チームが角田の無線システムになんらかの改善を施したか、クリーターが言うように、高速による風の問題だったのかもしれない。