“ピットイン時の指揮系統”に沿ってもミス発生。改善に向けレッドブル全体の取り組みが必須/F1 Topic
レッドブルのピットイン時の指揮系統に関して、チームの関係者を取材したところ、以下のようなことが判明した。
ピットインするかどうかの判断は原則としてストラテジストが決定する。それぞれのレースエンジニアに任せないのは、2台が同時にピットインして、どちらかがスタックするのを防ぐためだ。
ピットインすることを決定したストラテジストは、すぐさまその情報を2方向に伝える。ひとつ目の連絡先はレースエンジニアで、もうひとつの連絡先は今年から新たにレーシングオペレーション部門のトップとなったリチャード・ウォルバーソンだ。昨年まで車両エンジニアリングのシニア・エンジニアだったウォルバーソンは、ジョナサン・ウィートリーがキック・ザウバーへ移籍するのに伴って現職に就き、ストラテジストからの指示をピットクルーへ伝える役割を担っている。
F1第13戦ベルギーGPのレース後の会見で、ローラン・メキース代表が「チームはダブルピットストップの準備をしていた」と語っている。つまり、ウォルバーソンからピットクルーにピットインの指示が伝達されていたわけだ。そうなると、ストラテジストからふたりのレースエンジニアとウォルバーソンに連絡が入っていたことは想像に難くない。
考えられるミスは、レースエンジニアからドライバーへの伝達になんらかの齟齬があったのではないかということだ。ハンガリーGPではリチャード・ウッドが引き続き、角田裕毅(レッドブル)のレースエンジニアを務めている。
今回の問題は、ドライバーとレースエンジニアの間で起きた可能性が高い。だが、その問題を改善するための取り組みは、ドライバーとレースエンジニアだけに任せきりになるのではなく、チーム全体で取り組まなければならない。