【決勝日レポート】
ピアストリが今季6勝目、ノリスの連勝を止める。荒天で1時間20分の赤旗挟む【決勝レポート/F1第13戦】
7月27日、2025年F1第13戦ベルギーGPの決勝レースが行われ、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が自身通算8勝目/今季6勝目を飾った。
2位にランド・ノリス(マクラーレン)、3位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続いた。角田裕毅(レッドブル)13位となった。
伝統のスパ・フランコルシャンで迎えた第13戦。決勝日はウエットコンディションとなり、全車がインターミディエイトタイヤ(浅溝/グリーン)を装着。気温17度、路面温度24度、湿度90パーセントとなるなか、セーフティカー(SC)先導によるフォーメーションラップを迎えた。
しかし雨脚は強く、1周のフォーメーションラップを終える前に赤旗が提示され、各車ピットレーンで天候回復を待つことに。再び各車コースインできたのは、赤旗提示から約1時間20分後となった。
長時間待ち続けたこともあり、時おり雲の隙間から太陽が顔を出すまでに天候は回復。ただ、依然として路面は濡れていたこともあり、引き続き全車がインターミディエイトタイヤを装着し、SC先導で決勝スタートを迎えることになった。
SCは4周目終わりに退出し、5周目にグリーンフラッグが振られるとポールシッターのノリスがターン1のホールショットを守る。しかし、SCラップ中にバッテリーを消費していたというノリスは、ケメルストレートの加速でピアストリに間合いを詰められ、ストレートエンドのターン5でピアストリにかわされ2番手に後退する。
これでピアストリがラップリーダーとなった。6周目のターン5ではジョージ・ラッセル(メルセデス)がアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)をかわし5番手に浮上し、7番手を走る角田の前はアルボンに変わった。
一方、ピットスタートのルイス・ハミルトン(メルセデス)がオーバーテイクショーを展開し、10周目には5ポジションアップの13番手までポジションを上げている。
10周目を迎えると、ところにより路面がドライ、ところによりウエットという状況となり、各陣営はいつドライタイヤに履き替えるか頭を悩ませる。そんななか、マクラーレン2台は3番手以下を一気に引き離し、12周目時点で2番手ノリスは3番手ルクレールに8秒もの差を開けた。そしてそのルクレールに蓋をされたフェルスタッペンは、DRSが使えないなか、ルクレールのペースに付き合うかたちに。
11周目終わりに、13番手ハミルトンら後続勢4台がミディアムタイヤ(イエロー/C3)に交換。この4台がセクター2だけで3秒近く速いタイムを刻んだことで、翌12周目にほとんどの車両がミディアムに交換する。そんななか、ノリス、角田、アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)の3台は13周目にタイヤ交換することになり、この3台は大きくタイムを失う。
ノリスはただひとりハードタイヤ(ホワイト/C1)を履いて2番手を守るが、1周ピットを遅らせたタイムロスに加え、ピット作業での遅れもありピアストリとのギャップが1.5秒から8秒まで一気に開いてしまう。
また、角田は7番手から12番手、ハジャーは8番手から16番手まで大きく後退することに。対象的に、ピットスタートのハミルトンが11ポジションアップの7番手までポジションを上げ、アルボンの背中を追う展開に。
ただひとりハードタイヤを履いたノリスは、ミディアムタイヤのピアストリを上回るペースで走行。ただ、ふたりのタイム差は僅かであり、レース後半に入った22周目時点でもギャップは8秒と変わらず。
一方、ピットを1周遅らせ12番手に後退した角田はピエール・ガスリー(アルピーヌ)の背後1秒以内をキープするも、オーバーテイクにはなかなか至らない。その間に角田の背後に3台が接近し、ガスリーを先頭に計5台が数珠繋ぎの隊列となる。
レース終盤が近づくにつれ、タイヤのデグラデーション(性能劣化)の影響が出たか、30周目前後よりポイント圏外の後続を中心に複数台が2度目のタイヤ交換を実施。ただ、上位勢はこの動きに反応せず、1ストップで走り切ることを選択した。
残り10周となった35周目時点では、首位ピアストリと2番手ノリスのギャップは7.8秒と、僅かに縮まるのみ。ただ、チェッカーが近づくにつれピアストリのミディアムタイヤが厳しくなり、ペースダウン。40周目にその差が4.7秒まで縮まった。
41周目に3.8秒、42周目に3.6秒まで縮めるも、43周目にターン1でミスがあり5.1秒差まで広がり、ノリスの猛追はここまで。44周目を終え、ポイントリーダーのピアストリがトップチェッカーを受け、自身通算8勝目/今季6勝目を飾った。2位にノリス、そして3位にルクレールが続いた。
以下、4位フェルスタッペン、5位ラッセル、6位アルボン、7位ハミルトン、8位リアム・ローソン(レーシングブルズ)、9位ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)、10位ピエール・ガスリー(アルピーヌ)までが入賞となった。角田は、ニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)が2ストップとなったことでひとつ順位を上げたものの、43周目にオリバー・ベアマン(ハース)、そしてファイナルラップにはヒュルケンベルグにパスされ13位となった。
次戦となる2025年F1第14戦ハンガリーGPは8月1〜3日に、ハンガロリンクで開催される。