【F速プレミアム】
グランプリのうわさ話:ブラッド・ピット、映画の撮影で訪れたスパ・フランコルシャンを絶賛
事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先月公開されたアップルの映画の主役を演じたブラッド・ピットは、事実上F1の非公式アンバサダーとなった。このアメリカ人俳優は最近のインタビューで、映画『F1/エフワン』のために特別に作られたクルマを運転していたときに最も印象に残ったサーキットは、スパ・フランコルシャンだったとも明かした。
ピットは2023年と2024年の両方でかなりの数のサーキットを走行しており、個人的に気に入ったサーキットについて尋ねられると、「シルバーストンは本当に大好きだ。あそこに拠点を置いて、数カ月住む機会があったからだ」と明かし、「アブダビにも特別な思い入れがある。そこでさらに数カ月過ごし、映画の撮影もそこで終えたからね」と付け加えた。
■regist■しかし、最も大きな称賛はベルギーGP開催地に向けられた。ピットは次のように明かした。「自分にとって最高の場所はスパだった。何てところだろう! 森と裏側を通る全長4.3マイル、標高差100メートルのコースだ。プーオンのコーナーは、ダブルエイペックスになっている。オフキャンバーで、下り坂へ入っていくんだ。とても滑らかで優美なフィーリングだ」
このテーマに徐々に熱中しながら、ピットは続けた。「それから、もちろんオー・ルージュがある。オー・ルージュの一番低い地点まで行った。F1のティム・バンプトンが僕たちをオー・ルージュの底まで連れて行ってくれて、『背を向けて、丘の上を見て待っていてください』と言った。そしてクルマはウォールのすぐそばまで来るんだ。フェルナンド(・アロンソ)が通り過ぎると、文字通り肺から空気が吸い出される。信じられない。すごいものだよ。それは僕たちが走行したのと同じ週末で、僕もコースに出たけれど、フェルナンドがしていたようにはやらないよ! シルバーストンのコプスで彼が全開で走っているのを初めて見た時は、圧倒されて息を呑むほどだった」
レーシングブルズの新チーム代表アラン・パーメインは、前任者のローレン・メキースを称賛し、レッドブルF1プログラムの新代表について彼の視点から、「私がこれまで一緒に仕事をしたなかでも最高のチーム代表のひとりだ」と述べた。
パーメインは、アルピーヌF1チームからの電撃的な離脱の後、ほぼ1年前にレーシングブルズに加入し、グランプリでレースチームのエンジニアリング側を運営してメキースと直接仕事をしていたため、彼をよく知るようになった。
レッドブルの新CEOをどう評価するかと問われたパーメインは、「正直言って、彼らは素晴らしい人物を任命したと思っている」と率直に述べ、「彼は社交家で、レーサーで、レースの知識も豊富だが、人との付き合いも非常に長けている」と続けた。そして、最大の称賛の言葉が飛び出した。「F1で36年間、多くのチーム代表と仕事をしてきたが、彼はまさに誰にも劣るところがない」とパーメインは明かした。
これはまさに大絶賛だ。パーメインは過去にトム・ウォーキンショー、フラビオ・ブリアトーレ、デビッド・リチャーズといった人々と仕事をしてきたが、メキースを彼らと同列に位置づけることは、このイギリス人エンジニアが前任者をいかに高く評価しているかを示している。
タイで2028年から初のグランプリを開催するという計画は、同国が直面している不安定な政治および軍事状況のため、現在棚上げになっているようだ。まず、タイのペートンタン首相とカンボジアのフン・セン前首相との私的な会話がリークされ、その内容に非難が浴びせられた。ペートンタン首相はタイの最高将官のひとりについて、批判的な発言をしていた。それは彼女の政権を倒しかけるのに十分であり、連立政権の一党が彼女を見捨て、議会での支持は非常に脆弱なものとなった。
そして、タイとカンボジアの国境では、両国間の領土紛争により何十年も続いていた衝突が急速にエスカレートし、木曜日にはタイの戦闘機がカンボジアに侵入して、いくつかの軍事施設を爆撃した。国境の両側で合計10人以上が死亡し、全面戦争の可能性が高まっている。
政府の存続が危ぶまれるなか、バンコク市街地でのF1レース開催などを含め、ペートンタン首相が発表していたプロジェクトは現在凍結されており、これによりステファノ・ドメニカリがF1を“千の微笑みの国”に持ち込む計画は、大幅に遅れる可能性が出てきた。