2026年はレッドブル残留か。フェルスタッペン陣営は“ノーリスク・ハイリターン”な移籍を待つ可能性も/F1 Topic
2025年F1第12戦イギリスGPから過熱し始めたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のメルセデス移籍報道は、イギリスGP直後にクリスチャン・ホーナー代表が電撃解任されるとピークに達し、イギリスGPと第13戦ベルギーGPの間の2週間の休暇中、フェルスタッペンが訪れたイタリアのサルディーニャ島にメルセデスのトト・ウォルフ代表がいて、密会していたという噂がSNSで広まったことで、ほぼ確定かと思われた。
しかし、投稿された画像は偽物だったことが後日判明。そこから、報道は一気に沈静化。ベルギーGP前日にレッドブルが開いた記者会見でフェルスタッペンが、「正直言って、そんな噂はどうでもいい。僕は家族や友人と一緒にバカンスを過ごしていただけ。たまたま同じ場所にトトがいただけの話。そもそも、島にいたのは僕とトトだけじゃないしね」と噂を否定したことで、一転残留へ傾いている。
なぜフェルスタッペンは弱体化していくレッドブルに留まるのか。考えられる要因は、2026年問題と契約とのバランスだ。
2026年にどのチームがアドバンテージを握るのかは誰にもわからない。そのため、このタイミングで移籍するのは得策ではない。一部では1年間サバティカルをとるのではないかと噂されたが、これは本人が明確に否定した。また、アストンマーティンのアンディ・コーウェル代表も現状のラインアップを維持することを明らかにしたことで、アストンマーティン移籍もなくなった。
そうなると、レッドブル残留かメルセデス移籍かの2択になる。一見、メルセデス移籍が有力に見えるが、フェルスタッペン陣営は、そこにもリスクがあることを懸念している。というのも、メルセデスが2026年に100%アドバンテージを握るという保証はどこにもないからだ。にもかかわらず、フェルスタッペンが移籍する場合、少なくともメルセデスは3年以上の長期契約を希望すると考えられ、これがフェルスタッペン陣営にとってリスクとなる。
その点、レッドブル残留のリスクは2026年だけしかない。もし、レッドブルが2026年に低迷すれば、フェルスタッペンは契約解除条項を発動して2027年に自由に移籍できる。しかも、その場合、どのチームがアドバンテージを握っているかを確認した上で移籍できるというメリットがある。つまり、ノーリスク・ハイリターンなのである。
これが、フェルスタッペンがレッドブルに残留する理由だと考えられる。