2025.07.25

ブエノスアイレスがF1開催も視野に入れたサーキット改修を発表。2段階計画で2輪と4輪の最高ライセンス獲得を目指す


アルゼンチン出身のフランコ・コラピントを応援するファン(写真は2024年F1サンパウロGPのもの)
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 今週、アルゼンチンGPがF1カレンダー復帰に一歩近づいた。地元当局と、ブエノスアイレスのオスカル・イ・フアン・ガルベス・サーキットのプロモーターは、2027年からMotoGPを開催する契約を結んだばかりで、サーキット改修の計画を発表したのだ。これまで二輪レースはアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドで開催されていたが、現在、国は首都の宣伝をしたいと考えており、MotoGPのレースをブエノスアイレスに移すことを決定した。

 アルゼンチン新政府の計画の第二部は、数十年にわたってF1レースが開催されてきたコースの改修を完了し、世界選手権への復帰に適した状態にすることだ。これには、ロングストレートの終わりにヘアピンカーブを設けて明確な追い越しの機会を作るにあたって、コースの長さをおよそ0.5km延長することが含まれるが、工事が完了すると、サーキットの残りの部分は四輪と二輪の両方で使用されることになる。

オスカル・イ・フアン・ガルベス・サーキット
2027年からMotoGPアルゼンチンGPを開催するオスカル・イ・フアン・ガルベス・サーキットのレイアウト

 アルゼンチンの冬が始まった今、2026年中にすべての建設工事を行う計画が立てられており、最初の掘削作業は来年1月に開始される予定だ。サーキットの改修と施設のアップグレードは、ヘルマン・ティルケの会社が監督している。アルゼンチンGPは、1995年から直前に国の経済が破綻してレースが終了する1998年の間に世界選手権に短期間参加しており、ティルケは30年以上前に自ら改修に協力したサーキットに戻ることになる。

 ティルケと地元のプロモーターは、その拠点となる公園の広大な外周の可能性を考慮して、MotoGPコースの長さを4.34km、拡張されたF1向けコースがほぼ5kmに達する、新しいバージョンのサーキットを使用することを決定した。新しい計画の発表会で、ティルケは次のように語った。

「MotoGPを開催できるようにするために、地元のチームと協力してこのサーキットの再設計に取り組み始めた。我々には2段階の計画がある。フェーズ1は2027年のMotoGPに向けたものであり、フェーズ2はF1に向けたものだ。つまり、FIMグレードAライセンスとF1グレード1ライセンスを取得するということだ」

「これはバリアやランオフエリアなどのすべての要件を含む、技術的な側面だけの話ではない。非常に美しく、エキサイティングなサーキットにする必要もある。ライダーだけでなく、観客のためになることを考え設計した。国民の関心を引くことは非常に重要だ」

 ティルケは、現在取り組んでいるふたつのデザインについて説明するなかで、「MotoGPとF1のレイアウトは基本的に同じになる。F1ではふたつのコーナーのみ少し幅が広くなり、サーキットが少々長くなるが、レイアウトは基本的には同じだ」と明かした。サーキットプロモーターが提示したアーティストの想像図でわかるように、主な違いは、MotoGPがターン14を使用してメインストレートにふたたび進入するのに対し、F1はヘアピンにまっすぐ進み、その後、過去4回のアルゼンチンGPで使用されたバージョンに再度合流し、楽で平坦な左コーナーを通ってメインストレートに戻ることだ。

ミカ・ハッキネン
1997年F1アルゼンチンGP ミカ・ハッキネン(マクラーレン)
フランコ・コラピント(アルピーヌ)
アルゼンチン出身のフランコ・コラピント(アルピーヌ)


(Text:GrandPrix.com / Translation : AKARAG)

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