2025.07.19

クラッシュ、ペナルティ、雨で新人には厳しい週末。ベアマンは出場停止に近づく悔しいホームレースに【ルーキー・フォーカス】


2025年F1第12戦イギリスGP オリバー・ベアマン(ハース)がFP3でクラッシュ
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 2025年F1第12戦イギリスGPは、ルーキーたちにとって厳しい週末となった。ルーキーのなかで最上位からスタートしたアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)はセーフティカー後のリスタートで、アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)に追突され、ディフューザーが損傷してリタイアした。

 ハジャーによれば、「セーフティカーの後ろで周回していたときから激しい雨のせいで視界が悪く、タイヤの温度も下がっていた。リスタートの後は、まさに視界はゼロという状態だった。それで、コプスの手前でキミのマシンの赤いライトが見えたときにはすでに遅かった」と言う。

 前戦オーストリアGPでF1デビュー後、初入賞したガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)は、フォーメーションラップ終了とともにピットインしてミディアムタイヤに交換。ピットレーンからレースをスタートさせるというアグレッシブな戦略で2戦連続入賞を目指した。

 しかし、4周目のターン2で単独スピンを喫してバリアにクラッシュ。なんとか走り出すことができたものの、その後、コース脇にマシンを止めてリタイアとなった。チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグが19番手からスタートして3位表彰台を獲得していただけに、絶好のチャンスを逃す結果となった。

ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)
2025年F1第12戦イギリスGP スピンを喫してバリアに接触し、マシンにダメージを負ったガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)

 4人のルーキーのなかで、ただひとり完走を果たしたオリバー・ベアマン(ハース)にとっても、レース内容は納得のいくものではなかった。まず土曜日のフリー走行3回目で赤旗が出されてピットインしようとした際に時速260kmというスピードでピットエントリーに進入し、リヤタイヤをロックさせ、右側のバリアに正面衝突。赤旗中の事故により、ベアマンはレース審議委員会から10グリッド降格ペナルティを受け、予選で8番手を獲得しながら、日曜日のレースは18番手からスタートした。

 レースでも44周目に前を走るチームメイトのエステバン・オコンを抜こうとしてターン6で接触してスピンを喫するなど、地元イギリスでの初F1に気合が空回り。入賞まであと一歩と迫っていただけに、悔やまれるミスとなった。

 なお、土曜日のペナルティでは4点のペナルティポイントも同時に科され、直近12カ月間の累積ポイントは8点に達した。ベアマンのペナルティポイントが次に抹消されるのは2025年11月4日となるため、10月下旬に開催されるメキシコシティGP終了までに、4点以上のペナルティポイントが加算されると出場停止処分となる。

 ベアマンはもちろんのこと、それ以外のルーキーにとっても、今後はこれまで以上にミスのない慎重な走りと判断が求められる。



(Text : Masahiro Owari)

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