F1ガイドライン公表を受け、ドライバーたちがコメント。常駐スチュワードを求める者、「気にせず走っている」ベテラン勢
FIAがF1のドライビングおよびペナルティに関するガイドラインをオーストリアGP週末の直前に公開したため、それらの公正性と有効性をめぐってドライバーたちがそれぞれの意見を述べた。昨年以降、この有名なガイドラインは多くの議論の的となっており、FIAはそれらを公開することで、この問題に明確性をもたらすことを期待している。
ドライバーたちにガイドラインに関する分析を聞くと、明確に世代間のスタンスの差が見えてくる。ルイス・ハミルトンとフェルナンド・アロンソといったベテラン勢は、ガイドラインがどうであろうと、自分たちが正しいと感じる方法で運転していると断言。一方で新世代のドライバーたちは、ガイドラインに厳密に従ってレースをしていることを認め、その上で、現在の問題点を指摘した。
興味深いことに、マックス・フェルスタッペンはガイドラインについてのコメントを拒否した。フェルスタッペンは、「もうペナルティポイントを1ポイントももらいたくないからね」と冗談めかして語った。
最年長ドライバーであるアロンソは、「自分の運転スタイルは基本的に今も変わっていない」と言う。
「昔から今のように運転してきた。シーズンによって多少規制のされ方が変わることもある。でも、ここ20年間で大きく変わったとは思っていない。最終的には自然体でマシンを運転し、オーバーテイクやディフェンスの際は本能に従って判断している」
同じくベテランのハミルトンも同様の見解を示し、「正直に言って、あのガイドラインに従っているわけではない。自分が自然に感じるままに運転しているし、これまでのところそれで特に問題はなかった」と語った。
「他の人があれをどう思っているのかは分からないが、毎年違う人間がF1に加わって、また違う考え方が出てくる。それが自分の運転に影響を与えることはない」
新世代のドライバーであるシャルル・ルクレールは、「透明性が増した点は評価している」と述べた上で、「それでも、全てが常に明確になるわけではないと思うが、それはこのスポーツの本質であり、僕たちが理解しなければならないことだ」と語った。
「僕たちドライバーには、満足できない場合もある。それは仕方のないことで、どんなルールも全ての状況に対して完全に具体的にはなり得ない。常に、文面に明確には書かれていないようなケースが存在するものであり、最終的には判断が必要となり、それを下すのはスチュワードだ。僕たちは彼らを完全に信頼しなければならない」
グランプリ・ドライバーズ・アソシエーションのディレクターであるジョージ・ラッセルは、以前から主張してきた持論、つまりスチュワードに報酬を支払うべきだという点を改めて強調した。
ラッセルは「僕たちはシーズン中に20人の異なるスチュワードと接している。全員が豊富なレース知識を持っているが、それぞれのインシデントに対する解釈が少しずつ異なる。これはドライバーたちにも言えることで、同じインシデントに対する見解が微妙に異なるんだ」と指摘した。
「僕は今でも、報酬を受け取るプロフェッショナルなスチュワードたちによる一貫したパネル体制こそが、最善の道だと信じている。そして、可能であればガイドラインそのものを若干簡素化するのも手だと思う。あのガイドラインはスチュワードの意思決定を助けるためのものであり、あるスチュワードが4戦に1度しか担当しないような場合に、あの種の指針が必要になる」