
【】ストロール、カナダGPに出場の見込み。スペイン欠場後に手術、経過は順調か
6月10日
アストンマーティンのランス・ストロールは、前戦F1スペインGPを手の痛みのために欠場したが、今週末のホームグランプリ、カナダGPには出場できる見込みであることが分かった。
ストロールがスペインGP予選Q1で脱落した後、チームは彼が決勝に出場しないことを発表した。2023年に自転車事故により骨折したストロールは、今年、手と手首の痛みに見舞われていたということで、手術を受ける予定であると、チームは説明した。
サーキットのメディカルセンターでの予備的な診察の後、自転車事故後の治療を受けた病院に戻り、より詳細な検査を受けた。その検査によって、2023年2月の転倒によって負った怪我が再発していたことが判明したため、月曜日の午後に手術の予約がなされ、2年前にストロールを初めて治療したのと同じ医師および医療チームによって手術が行われた。

ストロールの手術は、著名なMotoGPの外科医であるシャビエル・ミル医師と彼が率いるチームが担当した。チームおよびストロールはその手術の詳細については未だに公表していないが、手術から24時間も経たないうちに、ストロールの関係者は、情報筋に対して、彼が母国グランプリでレースをするのに支障はないと語った。
リザーブドライバーのフェリペ・ドルゴヴィッチが先週水曜日以降ル・マンに滞在して、予定どおり24時間レースに向けた準備を進めていることも、アストンマーティンがストロールの回復に自信を持っていることの明確な証拠といえるだろう。
今年のル・マン24時間レースは、F1カナダGPと同じ6月14〜15日の週末に開催される。ドルゴヴィッチは、アクション・エクスプレス・レーシング(AXR)が運営するキャデラック・ウェーレンの311号車キャデラックVシリーズ.Rを駆り、ジャック・エイトケンおよびフレデリック・ベスティとともに走行する予定で、8日の公式テストにすでに参加している。

ドルゴヴィッチは、来年F1にデビューするキャデラックのドライバー候補のひとりであると考えられている。そのため、キャデラックの幹部や同社のF1部門の責任者たちがル・マン現地で彼の走りに注目するなか、好印象を与えることを強く望んでいる。

2026年にF1シートを持たないドライバーたちにとって、キャデラックF1は非常に限られた選択肢のひとつであり、候補リストには、ドルゴヴィッチの他に、セルジオ・ペレス、バルテリ・ボッタス、ミック・シューマッハー、周冠宇が含まれている。
もしもル・マンの予選にドルゴヴィッチが参加した後、彼がアストンマーティンF1チームに呼び戻された場合、キャデラック・ウェーレンにとっては好ましくない事態になるだろう。一方で、ストロールがプラクティスで走った後に、レース出走が不可能だと判明した場合は、ドルゴヴィッチを呼ぶには遅すぎるため、スペインに続いてアストンマーティンは、フェルナンド・アロンソ1台のみで戦うことになる可能性がある。

(Text : GrandPrix.com)