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グランプリのうわさ話:キック・ザウバー、航空会社の予定変更でヒュルケンベルグの入賞を現地でお祝い
事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
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キック・ザウバーは、スペインGPでのニコ・ヒュルケンベルグの素晴らしい結果を祝う思いがけない機会を得た。日曜日の夕方、レースの終わりにドイツ人ドライバーがチェッカーフラッグを横切った直後に、チューリッヒに戻る予定だったフライトがスイスの航空会社によってキャンセルされてしまったのだ。
3レースすべてがヨーロッパで立て続けに行われ、いずれもスイスのチューリッヒからの飛行時間が90分以内であったにもかかわらず、ザウバーの経営陣は、ホスピタリティクルーと、ホスピタリティユニットとガレージの機器を解体してチームのトラックに積み込む“撤収”クルーのみを残し、できるだけ多くのスタッフを帰国させたいと考えていた。経営陣、エンジニア、ほとんどのメカニック、それにマーケティングとコミュニケーショングループの全員は、航空会社から月曜日の朝のフライトに予約が変更されたというメッセージを受け取るまで、日曜日の夜に帰宅する予定だった。
■regist■ヒンウィルのファクトリーの近くで今も家族と離れて暮らしているチーム代表のジョナサン・ウィートリーは、「今夜はチームのメンバー全員と、ビールを1、2杯飲む機会ができた」と認めた。
誰が飲み物代を払うのかと聞かれると、ウィートリーは即座に「全額私が払う」と答え、少し間を置いて微笑み、「もちろん、会社のクレジットカードでね!」と語った。
マイアミGP直後にアルピーヌF1チームから突如離脱して以来、F1パドックを離れていた元チーム代表のオリバー・オークスは、現在はFIA F2とF3の分野に復帰し、自身が所有するハイテック・グランプリチームの代表を務めている。
言うまでもないが、オークスがアルピーヌでの職を辞したのは、弟のウイリアムが逮捕されたことをイギリス警察が公表する数日前のことだった。ウイリアムが逮捕されたのは、多額の現金を所持してシルバーストンのハイテックのファクトリーを去ろうとした際のことだった。
弟の方のオークスはドバイ行きのプライベートジェットに向かおうとするところを逮捕され、数日後にチームの施設の捜索が行われたと広く考えられている。しかし、兄の方のオークスはまだイギリス警察に何らかの供述をするよう求められていないため、行動に制限を受けていない。そのため、オークスはハイテック・グランプリで主導的な役割に復帰したが、マシンがコースを走っているときでもジュニアカテゴリー用に確保されたパドックに留まった。彼は目立たないようにしたいと考えており、アルピーヌを離れて以来、これまでF1コミュニティとの接触を避けてきたのだ。
スペインGP予選終了から数時間後に行われた、フランスのチームPSGと歴史あるインテル・ミラノが対戦したサッカーのチャンピオンズリーグ決勝は、F1パドックにいつもどおりの影響を及ぼした。ほとんどの人々は、できるだけ早く土曜の夜の仕事を終わらせて試合を生で観戦しようと焦っていたが、F2とF3のホスピタリティ部門は、遅くまで働くすべての人たちのために素晴らしい解決策を提供した。彼らは、内部に数台の大型スクリーンを設置し、F1パドックの全員を招待して、おいしい夕食を楽しみながらそこで試合を観戦できるようにしたのだ。
しかし、F1ドライバー、メカニック、エンジニアのほとんどは事前に準備を整えており、ピエール・ガスリーとアイザック・ハジャーは一緒に試合を観戦し、PSGの歴史的勝利を華やかに祝った。一方、サーキット周辺の村々では、イタリア人とフランス人のF1スタッフのグループが、試合が放映されるとわかっているレストランやバーに集まり、部屋全体を占領した。
PSGの圧倒的な支配力に、イタリア人はすぐに闘志を失い、ゆっくりと解散してホテルに戻っていったが、フランス人の大半は、珍しくグランプリ直前の深夜に祝杯をあげた。