
【】FIA、芝生火災防止のための新ルールを発表。チタン製スキッドブロックを維持も、スチール製の常備をチームに要請
6月5日
F1セッション中にコース脇の芝生に火災が発生したことを受けて防止策を検討してきたFIAは、マシン底部のスキッドブロックの素材をチタンからスチールに変更する計画はとりやめた。しかし新たなルールが定められ、今シーズンに関しては、チタン製が維持されるものの、火災のリスクに備えて、チームはスチール製を毎戦用意しなければならない。
中国GPおよび日本GPのセッション中に芝生火災が発生。その原因がマシンが底を打った際に発生する火花がコース脇の乾燥した芝に着火することであることが分かり、FIAは、スキッドブロックの素材をチタンほど高温を保持しないスチールに変更することで火災のリスクを抑えるという案を推進した。
FIAはエミリア・ロマーニャGPの直前に技術指令『TD015』を配布、金曜プラクティスにおいて、スチール製スキッドブロックのテストを行うとチーム側に言い渡した。
こうしてスペインGPの金曜プラクティスにおいて、スチール製スキッドブロックのテストがF1チームによって実施されたが、その結果を分析した上で、FIAは、スチール製の使用義務付けを行わないことを決めた。

6月4日にFIAは次のような声明を発表した。
「バルセロナにおけるステンレススチール製スキッドブロックのテストに関する分析を経て、FIAはTD015で示された導入計画を見直した」
「チタン製スキッドブロックは、今シーズンの残り期間においても引き続き義務付けられる素材となる。しかしながら、鈴鹿で今年初めに見られたような芝生火災が再発する場合に備え、すべてのイベントでステンレススチール製スキッドブロックを用意するようチームに要請する」
「さらなる評価のため、ステンレススチール製スキッドブロックの追加テストが、シーズンを通じて選定されたイベントで実施される予定である」

スキッドブロックは、マシンのバランスを改善するために重量配分を調整する手段としても利用できる重要なセットアップツールだ。しかし、フェラーリのチーム代表フレデリック・バスールは、チタンからステンレススチールへの素材変更がマシンの相対的な性能に影響を与えるという説については「どのチームにとっても当てはまるとは思わない」として、否定した。
バスールが懸念していたのは、スキッドブロックの素材を変更する際に、チームに適応のための時間が十分に与えられるかどうかだった。
「適切に管理し、両素材間の摩耗の違いを理解するためには、時間が必要だ」とバスールは言う。
「(変更する場合は)違いを理解できるように、代替素材を用いた1回または2回のFP1セッションが用意されることを望んでいる」
(Text : GrandPrix.com)