「理解し難い」と“故意接触”に見解。メルセデスF1代表「マックスが何をしたかったのか分からない」
メルセデスF1のボスであるトト・ウォルフは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がスペインGPの終盤にジョージ・ラッセル(メルセデス)に衝突したドライビングを「理解できない」と述べ、さまざまなスポーツの多くの偉大な選手には共通点があると付け加えた。それは、最高のパフォーマンスを発揮するためには「世界が自分に敵対している」と感じる必要があるということだ。
ウォルフは、フェルスタッペンがカタロニア・サーキットのターン4出口で突然減速するのを見たときについて、「我々はレース中、彼のマシンに問題があるという印象を持っていた。マックス(・フェルスタッペン)はターン4の出口でとても遅かった」と説明した。
その後、現チャンピオンがとった行動は故意だったと思うかと問われたメルセデスのチーム代表は、次のように答えた。
「あまりにもあからさまだったので想像もできないが、もし、それがドライビング中の激しい怒りのせいだったとしたら、よくないことだ。しかし、彼が実際に何を目指していたのかは分からない」
「彼はジョージ(・ラッセル)を先に行かせてすぐに追い越したかったのだろうか? それともジョージのマシンを前に出し、それから昔のDRSゲームのように正しいやり方で追い越したかったのだろうか?」
ウォルフは改めて次のように認めた。「私にとっては理解しがたいことだ。しかし、もう一度言うが、私は動機が何だったのか正確には知らないし、それに飛びついて『これはロード・レイジだった』などと言うつもりもない」
世界チャンピオンがこのような戦術を用いるのは今回が初めてではない。そこでウォルフは、フェルスタッペンや他のトップスポーツ選手が、物事がうまくいかないときにどのように反応するかについて興味深い意見を述べた。
「モータースポーツであろうと他のスポーツであろうと、偉大な選手たちは世界が敵だという前提に立ち、そのなかで可能な限り最高のパフォーマンスを発揮するというパターンがあることに私は気づいた」
「そのため、偉大な選手たちは、実際には世界が敵ではないことや自分がミスを犯したり、しくじったりしただけだということを認識しないことがある。だから我々は、もう何年もマックスのこうした瞬間を見ていないのだ。もちろん、2021年に何が起こったかは知っているが、その原因についてはわからない」
その後、ウォルフはリスタート直後のフェルスタッペンとシャルル・ルクレール(フェラーリ)の衝突についても見解を述べ、「300km/h以上の速さで、ストレートで2台が接触するなどということは、あってはならないことだ」と語った。
さらに同氏は、「このふたりは昔からお互いのことを知っている」と振り返り、次のように指摘した。「YouTubeに動画があるが、今日とまさに同じ議論を、彼らは14歳だったカート時代にもしている。『彼は僕をコースから押し出した』『それはレーシングインシデントだ』どちらが正解かは分からない。それは明らかにふたりの間の問題だ」