2025.05.18

フェルスタッペンが独走で今季2勝目。角田裕毅は最後方から入賞果たす【決勝レポート/F1第7戦】


2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP スタートで首位に浮上したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)
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 5月18日、2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGPの決勝レースが行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季2勝目/自身通算65勝目を飾った。

 2位にランド・ノリス(マクラーレン)、3位にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が続いた。ピットレーンスタートの角田裕毅(レッドブル)は10位となり、1ポイントを持ち帰った。

 フェラーリ大応援団が詰めかけ、観客席がフェラーリレッドに染まったイタリアのイモラ・サーキットで迎えた第7戦。今大会はピレリで最も柔らかいC6コンパウンドがソフトタイヤとして初めて投入され、昨年よりも1段階柔らかいタイヤでの一戦となった。

 スタートタイヤは20台中15台がミディアムタイヤ(イエロー/C5)を選択。12番グリッドのルイス・ハミルトン(フェラーリ)、13番グリッドのアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、17番グリッドのニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)、19番グリッドのオリバー・ベアマン(ハース)、そしてピットスタートの角田という5台がハードタイヤ(ホワイト/C4)を履いた。なお、ソフトタイヤ(レッド/C6)は決勝で姿を現すことはなかった。

 63周の決勝レースは気温24度、路面温度45度、湿度37パーセントというコンディションでスタートを迎えた。ポールシッターのピアストリは悪くない蹴り出しを見せた。ただ、ターン2(タンブレロ)へのブレーキング勝負を挑んだフェルスタッペンがアウトからピアストリ攻略に成功する。これでフェルスタッペンがラップリーダーとなり、2番手ピアストリ、3番手ジョージ・ラッセル(メルセデス)、4番手ノリスというオーダーに。

2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP スタートで首位に浮上したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 トップに浮上したフェルスタッペンは強力なペースを見せ早々に1秒差をつける。ピアストリはDRSが使えないなかでフルプッシュを見せ、3番手ラッセルとのギャップを広げるが、それでもフェルスタッペンには近づけないという状況となった。

 一方でラッセルはペースが上がらず。4番手ノリス以下を塞ぐかたちとなり、ラッセル以降はトレイン状態に。11周目のターン5(ビルヌーブコーナー)でノリスがラッセルを攻略し3番手に浮上するが、その時点で2番手ピアストリまで7秒のギャップが開いてしまった。

 4番手に後退したラッセルは翌12周目に、そして5番手のフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が13周目にハードタイヤに履き替えた。ただ、11周目という早目のタイミングでハードタイヤへの交換を済ませたルクレールがアンダーカットに成功し、事実上の4番手に浮上する。

2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP 角田裕毅(レッドブル)

 レース中盤が近づき、ミディアムタイヤスタート勢がハードタイヤへ履き替えるなか、14周目にピットに入ったピアストリは停車時間が3.6秒に達してしまう。さらにノリスがタイヤを履き替えた直後の29周目、ターン7立ち上がりでエステバン・オコン(ハース)がストップし、バーチャル・セーフティカー(VSC)が導入される。

 このVSCの間にここまでタイヤ交換を我慢したフェルスタッペン、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、ヒュルケンベルグ、角田らが最初のタイヤ交換を実施。これに対応するべく、ピアストリ、ルクレール、ラッセル、サインツらは2度目のタイヤ交換(2セット目のハードへ)を敢行した。

2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

 これにより、VSC解除となった32周目のオーダーは首位フェルスタッペン、19秒差の2番手ノリス、26秒差の3番手アルボン、32秒差の4番手ピアストリ(2ストップ)、5番手ハジャー、6番手アントネッリ(ミディアム)、7番手ハミルトン(ミディアム)、8番手アロンソ、9番手ルクレール(2ストップ)、10番手ストロールとなった。

 元々独走気味だったフェルスタッペンはVSCで10秒近くマージンを得ることになり、ノリスの視界に映らない状況で優勝を確実に手にするべく、クルージングに入った。

 34周目にはハミルトンがアントネッリとのミディアム同士のバトルを制し6番手に浮上。さらにハミルトンはこの周に36周目にタンブレロでハジャーをかわし5番手に。さらに42周目にはルクレールもハジャーをかわし6番手に浮上する。

2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP ルイス・ハミルトン(フェラーリ)とアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)の攻防

 また、VSC解除時点で14番手だった角田はミディアムタイヤを履き、39周目のタンブレロでストロールをパス。さらに42周目にはアロンソをかわし12番手に浮上した。

 そんななか、46周目に8番手につけていたアントネッリがマシントラブルによりターン8そばのグリーン上にマシンを止めた。これでセーフティカー(SC)導入となり、このSC中にフェルスタッペン、ノリス、アルボン、ハミルトン、ハジャー、アロンソ、ストロールらが2度目のタイヤ交換を実施。

 これで首位フェルスタッペン(ハード/交換直後)、ピアストリ(ハード/ステイ)、ノリス(ハード/交換直後)、ルクレール(ハード/ステイ)、アルボン(ハード/交換直後)、ラッセル(ハード/ステイ)、ハミルトン(ハード/交換直後)、サインツ(ハード/ステイ)、ハジャー(ハード/交換直後)、ヒュルケンベルグ(ミディアム/ステイ)というトップ10オーダーに。そして11番手の角田はステイし、ミディアムタイヤのままチェッカーを目指すことを選んだ。

2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 レースは54周目、残り10周で再開を迎えると、角田がターン10でヒュルケンベルグをパスし10番手、ポイント圏内に浮上する。一方、タイヤを変えたフェルスタッペンは55周目にこの時点でのファステストを見せ、早々にピアストリの視界から遠ざかる。

 フェルスタッペンとノリスよりも、16周長い距離を走ったタイヤのピアストリがノリスを蓋する状況となり、その間にフェルスタッペンはギャップを広げ、完全な独走体制に。

 57周目にハミルトンがラッセルをパスし6番手に浮上したように、終盤はタイヤの差が顕著に出る展開となった。58周目にはノリスがタンブレロでピアストリをパスするが、時すでに遅し。フェルスタッペンはすでに5秒以上先かつ、ファステストを更新する走りで勝利を確実なものにする。

 60周目にはアルボンがタンブレロへのブレーキング勝負で4番手ルクレールに並んだが、行き場所のないアルボンはグラベルにコースオフ。この間にハミルトンが5番手に浮上すると、タイヤの差もあり早々にハミルトンが4番手に浮上する。

 なお、この交錯は審議対象となったため、ルクレールはファイナルラップでアルボンにポジションを戻した。一方、10番手角田の背後には、角田より17周新しいミディアムタイヤのアロンソが急接近。両者の戦いはチェッカーまで続いた。

 63周目を終え、フェルスタッペンがレッドブルのF1参戦400戦目となった一戦で、4月初頭の第3戦日本GP以来となる今季2勝目/自身通算65勝目を飾った。6.109秒差の2位にノリス、6.847秒差の3位にピアストリが続いた。

 以下、4位ハミルトン、5位アルボン、6位ルクレール、7位ラッセル、8位サインツ、9位ハジャー、10位角田までが入賞となった。角田はアロンソの猛追からポジションを守りきり、ピットレーンスタートから1ポイントを持ち帰った。

 次戦となる2025年F1第8戦モナコGPは5月23日〜25日に、モンテカルロ市街地コースで開催される。

2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP ランド・ノリス(マクラーレン)とメカニック


(Text:autosport web)

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