2025.05.13

印象的な一発の速さを見せた新人アントネッリ。メルセデス首脳陣も「とても喜ばしい瞬間だった」と感銘を受ける


2025年F1第6戦マイアミGP アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
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 2025年F1第6戦マイアミGPの予選におけるメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリの活躍は、彼の自信だけでなく、メルセデス内のチームの士気も大きく高めた。テストや今シーズン最初の5回のグランプリでエンジニアたちが得た、若きイタリア人のスピードに関するすべてのデータから、彼が驚異的な速さと才能を持っていることに疑いの余地がないことはわかっていただろうが、そのことを証明するのに具体的な結果に勝るものはない。

 アントネッリはマイアミGPのスプリント予選でポールポジションを獲得し、その後メインレースの予選でも3番手のタイムを記録して、コース上で実力を発揮できることを証明した。経験豊富なメルセデスのテクニカルディレクターであるジェームズ・アリソンでさえ、若い彼の走りに感銘を受けたと認めた。

「ガレージにいた全員の顔を見れば、誰もがこの喜びを感じていたことがわかっただろう。予選が終わるとすぐ、メインイベントであるレースに取り組むことになるので、これはつかの間の喜びだ。そこでの挑戦はまったく異なることは承知しているが、それは確かにとても喜ばしい瞬間だった」

アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がスプリント・ポールを獲得
2025年F1第6戦マイアミGP アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がスプリント・ポールを獲得

 アントネッリはスプリント予選で速さを見せたが、レース結果はそれに見合うものではなかった。スプリントでの上位争いから彼を脱落させたのは、もちろんピットレーンでのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)との衝突だった。また日曜日には、アントネッリはアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)にも敗れていることから、彼に改善できる部分があることは明らかだ。アリソンは週末を分析して、次のように述べた。

「スプリントレースでのスタートは期待外れだったであろうことはわかっている。彼はまた、メインレースではブレーキングが少し長かったために、アルボンに追い抜かれてしまったことにも少々落胆しただろう。しかし、彼は予選でのパフォーマンスには当然満足できるし、実際そうだった」

 また、トラックサイドエンジニアリングディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、ピットレーンでのフェルスタッペンとの珍しいインシデントについて、この件は自分のせいではないとアントネッリはわかっていると語った。

「キミは、スプリントレースでピットストップを妨げられたことや、マックスに衝突したことが、まったく自分のせいではないことをわかっている。全体的に見て、学びの観点から彼は今後も役に立つものを持ち帰ったのではないかと思う。自分が予選で本当に速かったと知ることで、自信が大いに高まるだろう」

「彼はまだとても若く、レースもほんの数回しか経験していない。キミの進歩は本当に明らかだと思う。これらのことはすべて、彼が学び、今後数年間を過ごすための素晴らしい機会だ」

オスカー・ピアストリ(マクラーレン)&アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
2025年F1第6戦マイアミGP スプリントレース スタート直後にポジションを争うオスカー・ピアストリ(マクラーレン)とアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)

 アリソンは、日曜日のハードタイヤでのペース不足についても言及した。アントネッリは、ミディアムタイヤを履いていた時は、激しいバトルを繰り広げていたフェルスタッペンとランド・ノリス(マクラーレン)に追いつけるようなペースを発揮したが、ハードタイヤでは苦労したという。

「ハードタイヤは、弾性はよかったが、レースで使用した2種のタイヤのうちでは遅い方だった。どれくらい激しくプッシュできるのか、判断するのが難しかった。プッシュしすぎるとオーバーヒートして、望んでいるよりも早く摩耗してしまう。しかし十分に激しくプッシュしないと、しっかりとグリップできる動作範囲に入らない。キミにとって、そのふたつの間でちょうどよい妥協点を見つけるのはそれほど簡単ではなかった」

アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
2025年F1第6戦マイアミGP アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)


(Text:GrandPrix.com / Translation : AKARAG)

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