2026年F1パワーユニットの性能格差に懸念。劣勢マニュファクチャラーへの特例措置を検討へ
2025年2回目のF1コミッション会合が、4月24日に開催され、2025年および2026年のレギュレーションについて議論がなされた。来年の新パワーユニット(PU)規則に関しては、大幅に遅れを取ったマニュファクチャラーが他に追いつくための方法を検討することが明らかになった。
2025年競技レギュレーションについては、いくつか小さな修正がなされ、主な変更として以下が発表された。
・モナコGPにおいて2ストップ戦略義務化の実施に必要な最終修正。
・ドライバーが冷却ベストの着用を選択しない状況に関連するパルクフェルメにおける許容範囲の更新。
・最近の中国GPで複数のチームが経験したような、フライアウェイイベントでの貨物輸送遅延の状況を管理するための規制上の仕組みの追加。
さらにキャデラックF1チームの2026年参入を見据え、新規参入チームに対する資本的支出枠に関する財務規則の修正について合意された。
また、日本GPでコース脇の芝生上に火災が発生した問題について議論が行われ、代替スキッド素材(スチール)の検討および一部のサーキットに対する処理の可能性を調査することで合意がなされたということだ。
2026年に新たに導入されるパワーユニット規則に関しても協議がなされた。これについてFIAは以下のように発表した。
「F1コミッションは、2026年のエネルギーマネジメント戦略の修正および、2026年において性能不足もしくは重大な信頼性の問題を経験するパワーユニット製造業者が直面しうる財政的問題に対応するための措置について、原則的な議論を行った」
エンジンとバッテリーのパワー配分を50対50から変更し、レースコンディション下ではバッテリーからの出力を大幅に減らすという提案がなされていることが分かっている。この案についてメルセデスのトト・ウォルフ代表は強く反対しており、ホンダもこれを歓迎していないとみられる。
また、新たなパワーユニットが導入される際に、一部マニュファクチャラーが他に対して大幅に遅れ、大きなギャップが縮まらないことが懸念される。そのため、可能な限り迅速に性能均等化を成し遂げるために、競争力または信頼性のいずれかの点で他のマニュファクチャラーに後れを取っているマニュファクチャラーに対し、他と並ぶための追加支出を認めるなどの措置を盛り込むことが検討されている。
FIAは、「これらすべての議題については、適切な諮問委員会における専門家たちによる詳細な議論が行われる予定である」とコメントした。