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グランプリのうわさ話:スペインGPの新サーキット『マドリング』の不安要素
事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
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来年スペインGPが移転する予定のマドリード。。そのマドリードに建設する新ストリートサーキット『マドリング』のIFEMAエリアでは、建設工事開始を待つ時間がようやく終わったようだ。多くの話し合いや交渉が行われたものの、施設の建設に実際の進展が見られず1年が過ぎたが、レース主催者は来週の4月26日土曜日にプロジェクトの公式オープニングセレモニーを地元当局者向けに開催し、ステファノ・ドメニカリも招待客名簿に名を連ねていることを発表した。
■regist■本格的な作業は翌週の4月29日火曜日から始まる予定で、スペイン側のチームにはすべてをまとめるのにわずか16カ月しか残されていない。彼らの最初のレースは2026年9月に開催される予定だ。
しかしこの発表は、来年のレース運営についてかなりの懐疑論があるF1パドックの騒ぎを鎮めるのにほとんど役に立たなかった。コースの建設は、モータースポーツに携わったことがなく、通常の道路建設を専門とする会社に委託された。このことに気づいた経験豊富なF1の経営陣にとっては、赤信号が灯ったようなものだった。
一方で、オンラインチケット販売会社との10年間の独占契約の発表は驚きをもって受け止められた。この会社はイギリスGPとの契約を失ったばかりなのだが、それはシルバーストンの主催者が、同社の運営方法を公然と疑問視したためだったのだ。
バーレーンは、2026年にプレシーズンテストを開催する権利をふたたび確保したが、F1との正式な契約は、ステファノ・ドメニカリが来年のカレンダーを策定した後、夏の初めまでに締結される予定だ。来年のシャシーとパワーユニットは完全に新しいものとなるため、チームとFIAは、過去数年間のように1回ではなく3回のセッションを行い、F1が長い間実施していないようなプレシーズンを組むことに同意した。
完全に新しいレギュレーションが施行された2014年と同様に、大きな問題が発生した場合にマニュファクチャラーが困難に陥ることを避けるため、今回はバルセロナで行われる最初の新車での走行を、非公開で行うことで合意がなされた。来年1月26日から30日まで、各チームはテレビカメラ、カメラマン、ジャーナリスト、ファンから離れ、カタルーニャのコースを最大で3日間走行する。
そしてバーレーンでは、テストのうちのひとつがラマダン期間中に開催されるという新たな要素も加わるが、3日間のセッションが2回開催される。1回目は2月12日から14日まで、2回目は1週間後の19日から21日までで、この回はファンとメディアに完全に開放される。2週間後、シーズンはふたたびオーストラリアで開幕するが、2027年からは、F1世界選手権の開幕戦を主催するのは中東の小国となる。
アメリカ政府が最近、中華人民共和国に対して開始した貿易戦争の結果、周冠宇が来年に新チームのキャデラックからグランプリレースに復帰する可能性は消滅したようだ。チームに近い情報筋によると、最近チーム代表で周のマネージャーも務めるグレアム・ロードンは、ゼネラルモーターズの取締役会が、中国や、アメリカの現政権と公然と対立する他国出身のドライバーを起用しないことを知らされたという。
ロードンはバーレーンにはいなかったため、このうわさについてコメントすることはできなかったが、ロードンに近い人物はそれが事実であることを認めた。これは、ドライバー市場で予期せぬことが起きたり、突然適切な候補者が現れたりしない限り、新チームが経験豊富なドライバーのために確保したレースシートの候補者がセルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスのふたりに絞られたことを意味する。
確かなのは、ロードンと彼のマネジメントチームが、ドライバーに関する決定を急いで下すつもりはないということだ。彼らは市場の動向と、コルトン・ハータの今シーズンのインディカーでの様子を見極めることを望んでいるため、この件に関するニュースが期待できるのは早くても9月中旬になるだろう。