2位ラッセル、DRSの不正使用によるペナルティを免れる。ヒュルケンベルグは車検不合格で失格/F1バーレーンGP
F1バーレーンGP決勝で、2位でフィニッシュしたジョージ・ラッセル(メルセデス)が、DRS(ドラッグ・リダクション・システム)を不適切な形で使用していた疑いで調査を受けた。違反は起きていたものの、トラブルが起きていた状況を考慮し、スチュワードはラッセルにペナルティを科さないことを決めた。一方、13位でフィニッシュしたニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)は、レース後の車検で不合格となり、失格となった。
ラッセルのDRSは、前を走るオスカー・ピアストリ(マクラーレン)から1秒以上離されていたにもかかわらず作動した。しかし、この時ラッセルは、さまざまなマシンのトラブルに見舞われており、さらに外部のトラブルにより自動DRS起動システムとマシンの接続が切れていたなかで、この違反が起きたことが分かった。状況を考慮し、スチュワードは、ラッセルにペナルティを科さないことを決めた。
スチュワードは次のように状況を説明した。
「自動DRS作動システムと車両との接続が、外部提供のタイミングループの問題によりなされてなかった。そのため、FIAは第22.1条 h) 項に従い、DRSの手動作動を許可した」
「当時、ドライバー(ラッセル)はブレーキ・バイ・ワイヤの不具合およびその他の電子系統の問題に直面していた。彼はその時、コクピット内にある補助ボタンの使用を指示された。そのボタンは予備の無線ボタンとして機能するが、同時にDRSの手動作動ボタンとしても機能する」
「ターン10とターン11の間の直線で、彼はこのボタンを使用してチームに無線を送ろうとしたが、誤ってDRSを作動させてしまった。DRSは、およそ700メートルの直線のうち37メートルの距離で作動した。0.02秒のタイム短縮が得られたが、次のコーナーで0.28秒を失い、それを相殺した。これはテレメトリーにより確認された」
「したがって、技術的には違反が発生しているが、競技上の利益が得られていないため、スチュワードはペナルティを科さないことを決定した」
ヒュルケンベルグについては、レース後の検査でマシン底のプランクが許容された以上に摩耗していたことが判明した。規則に定められた厚さの最低値を下回ったため、ヒュルケンベルグは失格となった。
「27号車(ヒュルケンベルグ)のプランクアセンブリーを計測したところ、左側が8.4mm、
車両中心線が8.5mm、右側が8.4mmであることが分かった」とスチュワードは説明した。
「これは、技術規則第3.5.9条e)に規定されている厚さの最小値9mmを下回っている」
「スチュワードは、FIA F1技術規則第3.5.9条e)への違反があったと判断した。したがって、このような違反には失格という標準的な罰則を適用する必要がある」
これにより、13位以下のドライバーたちがひとつずつ順位を上げることが決まった。