日本のF1人気の高まりを喜ぶハース小松代表「とてもエキサイティング。角田の活躍を含め様々な要因がある」
F1日本GPの土日、鈴鹿サーキットの観客席がほぼ満席となったことを喜んでいるのは、レース主催者だけではない。今の日本でのF1人気の高まりを、ハースF1チームの小松礼雄代表は、「エキサイティング」として歓迎し、その要因を挙げた。
ホンダが2026年にF1に正式に復帰すること、トヨタがハースF1チームへの支援を強化していること、角田裕毅がトップチームであるレッドブル・レーシングで走っていること、さらに平川亮が今年フリー走行1回目に5回出場することなどを見れば、日本がF1における存在感を高めていることは明らかだ。
FIA記者会見において、「日本はいまやF1をリードする国のひとつになったと思うか?」という質問を受けた小松代表は、「日本がF1をリードする国かどうかは分かりません。ただ、日本でのF1人気は一時落ち込んでいましたが、関心が戻ってきているのは確かです」と答えた。
「裕毅が去年、今年と活躍し、大きな進歩を遂げました。それは誰の目にも明らかです。日本人ドライバーがトップチームで走るということは、今まで一度もありませんでした。こういう大きな出来事により、(人気の)勢いが増してきています」
一方、小松代表は、日本におけるF1人気の高まりには、他にもさまざまな要因があると考えている。
「平川という非常に優れたドライバーがFP1に出場することも、(日本のF1人気を高める)助けになっています。日本GPを春に開催することも、良い影響を及ぼしていると思います。つまり、要因はひとつだけではありません。東京でのイベントは大成功だったと聞きました。こういったすべてのことが重要な役割を果たしています。良い兆候しか見えません。とてもエキサイティングな時期だと思います」
こうしたF1人気のなかで、将来F1の世界で働きたいと願う若いファンたちがいるかもしれない。彼らへのアドバイスを求められた小松代表は、勇気を持って最初の一歩を踏み出してほしいと語った。
「私が子供のころにF1に興味を持った時、両親以外のすべての人たちが『そんなばかげたことを言うな。できるわけがない』と言いました。でも私は、そうした言葉には耳を貸しませんでした」
「私のアドバイスは、『お前にはできないと言ってくる人たちの言葉に耳を貸すな』ということです。真剣に取り組んで、その目標に人生を捧げれば、できないことはほとんどないと、私は思います」
「時には、最初の一歩が一番難しい場合があります。でも、夢を実現するために、その最初の一歩を踏み出す勇気を持ってほしいです。なぜなら、挑戦したなら、たとえ結果が失敗でも、それはある意味、問題ではないと私は思うからです」
「全力を尽くしたなら、たとえ最初の目標に到達できなくても、そこから何かを学ぶことができます。そして人間として、その学びを人生の次のステージで生かすことができるのです。ですから、どうか、最初の一歩を踏み出してください」