2025.04.09

最速のマシンがあっても優勝を逃したマクラーレン。代表は「スティント延長もアンダーカットも難しかった」と戦略を擁護


2025年F1第3戦日本GP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を追うマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリ
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 最速のマシンに乗っていたにもかかわらず、レースで敗北したという事実を受け入れるのは決して容易なことではない。しかし、マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレア・ステラは、F1第3戦日本GPの決勝レースで、最高の成績を収めたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に敗れたことをチームとドライバーの責任にすることはなかった。

 チームがランド・ノリスとオスカー・ピアストリの両者に、まったく同じ戦略を割り当てたことから、レッドブルにとってレースは容易な状況になった。レッドブルはふたりのうちひとりだけをカバーすればよく、自チームのドライバーに最も近いノリスを抑えることを選んだのだ。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2025年F1第3戦日本GP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 ピアストリは、18周の終了時点でフェルスタッペンから3.9秒遅れており、その後20周目にピットストップを行ったが、レッドブルは反応しなかった。そして結局のところ、ピアストリが新品タイヤを履いても、すぐにフェルスタッペンを追い抜くことは不可能だった。特にピアストリは、オリバー・ベアマン(ハース)を追い抜くことができるようになる前に、彼の後ろで1周をロスしていた。

 一方でノリスは当時トップからわずか1.5秒遅れだったため、アンダーカットを成功させるには有利な位置にいたが、レッドブルは21周目にフェルスタッペンをピットインさせ、マクラーレンの動きに先手を打った。

 驚いたことに、ノリスはタイヤ交換で1.5秒を稼ぐのはほぼ不可能だと承知していながら、スティントを延長しないことを選択し、トップのフェルスタッペンに続いてピットレーンに入った。レッドブルは珍しくピットストップに時間がかかり、ノリスはなんとか自分のマシンのフロントウイングをRB21の後輪の横に寄せることができたが、その後芝生に押し出され、レースの残りをライバルの後ろで過ごした。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)&ランド・ノリス(マクラーレン)
2025年F1第3戦日本GP ピットレーンの出口で並んだマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とランド・ノリス(マクラーレン)

 ステラは両者を擁護し、もしピアストリがスティントを延長していたら、「彼は後ろのクルマとの問題を抱えていただろう。特に(ジョージ・)ラッセルがピットインしたので、カバーする必要があったからだ」と説明した。またアンダーカットを狙わなかったことについては、セーフティカーのリスクがあったと主張。反対に、メルセデスがアンドレア・キミ・アントネッリに行わせたように、ノリスをステイアウトさせて第1スティントを延長することも難しかったと述べた。

「ランドがアンダーカットを狙っていたら、セーフティカーが出た場合にポジションを落としていただろう。後から考えれば、セーフティカーはまったく出なかったので、『ああ、アンダーカットを狙えばよかった』と思うだろうが、アンダーカットの試みにはリスクが伴う」

「20周走ったミディアムタイヤでは、ピットストップしてハードに変えたドライバーより速く走ることはできない。ラッセルがピットインし、新しいハードタイヤでとても速くなったときに、状況は非常に明らかになった。ハードがうまく機能していたことは明らかで、ステイアウトして進み続けるオーバーカットは、害になっただろう」

「オーバーカットは、バルセロナや過去の鈴鹿では機能する。タイヤデルタを4、5周獲得し、その後ピットストップを行うのだ。たとえ自分より前にピットに入ったクルマの後にピットストップをしたとしても、タイヤはよりよい状態にあるので、そのクルマを追い抜くことができるだろう」

「しかし、ここではタイヤが1周ごとに劣化することはほとんどない。最終ラップまで紫色のセクターとラップ(編注:全体ベストタイムを記録したセクターとラップ)が続いた。つまり、これはデグラデーションの少ないレースであり、難しいレースなのだ」

ランド・ノリス&オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
2025年F1第3戦日本GP ランド・ノリス&オスカー・ピアストリ(マクラーレン)


(Text : GrandPrix.com)

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